表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1037/1530

アンダーグラウンド掃討作戦(三百九十)

「大分討ち取られたらしい。損害多数だ」「じゃぁ、撤退ですか?」

 田中軍曹の目がパッと見開かれたのを見て、山岸少尉は思わず拳を振り上げた。防弾ガラスを叩くと鈍い音がする。手が痛い。

 しかし山田軍曹の顔は瞬時に歪み、防弾ガラスが無ければ『当たったであろう場所』を痛そうに擦っているではないか。

 直ぐに『痛くない』と気が付いたのだろう。笑顔に変わった。


「まだに決まっているだろう!」「だと思いましたっ!」

 山岸少尉の自信たっぷりな顔を見て、田中軍曹は思い出す。

 今の山岸少尉は『全権』を握っている。つまり、『総員突撃!』と下命できる立場なのだ。人生で初の経験だろう。

 言葉通り、『まだまだやり足りない』に決まっている。


「配下の全機をここへ集めろ」「はい。え? 全機ですか?」

「そうだ」「動く奴?」「当たり前だろ」「壊れてるのも?」

「部品取り位にはなるだろう。全部集めろ」「はいっ」

 田中軍曹は自分のコンソールに向かって打鍵し始める。


 先ず打ち込んだのは『友軍部隊の隊長達』に向けてのメッセージだ。すぐ傍に姿は見えるのだが、コンソールに向かっている。


田中軍曹『やっほー。充電するから、全機集めろってさぁ』

きよピコ『まじで? 今配置に着こうとしてるけど戻り?』

たなっち『ていうか、まだ充電あるっしょ。弾なら判るけど』

きよピコ『少尉殿はまだやる気だしょ』たなっち『癒えてる』

田中軍曹『いや充電するって言ってんの少尉殿だし』

きよピコ『読めない字おつ』たなっち『うるさい。黙れ』

田中軍曹『喧嘩砂。やる気だから充電するらしい』

田中軍曹『電源車読んだ。呼んだ』

たなっち『へー』きよピコ『ほー』田中軍曹『はー』

きよピコ『ひー』田中軍曹『いや良いから』たなっち『ほー』

田中軍曹『たなっちヤメロ』きよピコ『はー』

田中軍曹『ちょときよピコ』きよピコ『まだダメって言われてない』

田中軍曹『はー二回目だから、きよピコの負け』きよピコ『mjk』

たなっち『ださ』きよピコ『黙れ』田中軍曹『ちょおまいら』

田中軍曹『兎に角戻せ。充電しる』


「もう呼んでるのか?」「あぁ今、あいつらに連絡してます」

 突然山岸少尉からの『リアル確認』があって、田中軍曹は慌てる。

 山岸少尉が『自部隊の方』をグルリと指さしているのが判って、それも焦りの原因となる。

 コンソールを指さして説明したら、山岸少尉は頷いて御園との会話に戻った。充電する順番について確認しているのだろう。


「電源車が来たら、ケーブルが届く位置に配置済です」「そうか」

 やはりそうだ。早く来ないと後回しになってしまう。チラリと振り返った山岸少尉と目が合って、田中軍曹は真面目に頷く。


たなっち『うさぎにつの戻せ』きよピコ『ウサギに角ねぇし』

たなっち『そういううさぎも居るのかも知れぬ』

きよピコ『居ねぇ方にZ2』たなっち『荒川に沈んだ奴?』

きよピコ『それカタナ』たなっち『ドッボーンww』

田中軍曹『何の話だよww。てか辞書引け』

たなっち『軍曹もどりんぐ』きよピコ『おかー』

田中軍曹『飯の順番が後になっても良いなら、待機でもOK』

たなっち『すぐ戻します!』きよピコ『すぐ戻します!』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ