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アンダーグラウンド掃討作戦(三百七十五)

 また一人『仲間かべ』が倒れてしまった。さて、どうしよう。

 迷っていても仕方がない。これは『市街戦』なのだ。

 覚悟していたはずである。戦いの主役が例え『ロボ戦隊』であろうとも、最後は『人』対『人』の殺し合いになるであろうことを。

 ロボは飽くまでも『動く盾』か『隠れ蓑』に過ぎない。

 戦いは多くの場面で人を狂わせるが、ナイフ一本でもあれば『継戦可能』である。何で変換しても『┓┗(けいせん)』なんだよ。

 それはそれとして、赤星は物陰から銃口だけを出し『明々後日の方向』に乱射する。とは言っても『乱射』と表現する程弾数はない。


『パパパッ、パパパッ。カチンカチン』

 銃声を響かせた後は、壁の向こうから見える所にM16を捨てて反対側へと走り出す。ここからは『心理戦』だ。

 果たして壁の向こうに居る『相手』は、赤星の作戦に引っ掛かってくれるだろうか。


 赤星は踵を返す。M16を乱射した地点まで戻り始めた。

 走りながら拳銃ベレッタを抜き、両手で構えると銃口を下に向ける。そのまま更に加速して走り続けた。

 廃墟の角、そこで大きくジャンプ。体を小さく丸めながらも、視線はさっき『M16の銃口を向けた方』に向ける。


『ドガーンッ!』『パラパラァッ』

 手榴弾が炸裂する。もしも赤星が引き返して居なければ、今度こそ『肉片』と化していただろう。

 しかし赤星は、見事『掛け』に勝ったのだ。

 辺りは燃え続ける自動警備一五型イチゴちゃんが、まるで『行燈』の役割を果たしていた。四つ並んだ炎が妖しく揺らめいている。


 見る人が見れば『布団を敷いた広い和室』と、見えなくもない。

 あとはそこに、『風呂上がりの女』を寝っ転がせば『舞台』は整う。勿論『浴衣姿』一択。裾が捲れて素足が覗く。

 乱れた髪を直すこともなく、足を内側に向けた後は膝を立てる。


 現実はそこまで艶っぽくはなかった。色気も生気もない。

 地面は埃っぽいだけで『布団』なんて敷かれてはいないし、良く見なくても、寝転んでいるのは『さっきの男』ではないか。

 枕にしている『ドローン爆弾』は、どうやら不発だった模様。


 見えない相手に対して、手榴弾による『ピンポイント爆撃』を行うような奴だ。そんな奴が、煌々と照らされた布団の上で、寝っ転がっている訳がないではないか。

 勿論それは赤星も承知している。だから体が放物線を描いて行く間も、物陰に潜んでいるであろう『奴の姿』を素早く探していた。


 一番、居ない。二番、居ない。三番、四番、居ない。

 向うの廃墟の角、居ない。あそこから手榴弾を投げて、『着弾点』に届かせるのは相当肩が良い。故にそこには居ない。確実だ。

『ダンッ! ダンッ!(チュイーン) ダン!(チュイーン)』

 燃えている機体に対し、勝手に『一番』から『四番』と番号を割り振っていた。手前から順にだ。ここから見て菱形に並ぶ左右左右。

 その一番から三番までに向けて、拳銃を発射した。

『ドンッ、ゴロゴロッ』

 四番を狙わなかったのは『一番遠いから』と言うのもあるが、地面に着地していたのが理由だ。転がっている最中は、赤星と言えども狙いが定まらない。するとその四番から『人影』が飛び出した。

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