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アンダーグラウンド掃討作戦(三百五十九)

 やっと信じてくれたようだ。赤星の表情が変わる。

「だそうです。隊長。どうします?」「うむ。そうだなぁ」

 何だか知らないが、赤山が急に考え始めてしまった。赤星も同様に悩み始める。これは『気が合う』と言えるのだろうか。


「バッテリー切れで落ちてた奴、やっぱり拾って来るか?」

「あれ『飛べないだけ』っぽくて、生きてる感じでしたもんねぇ」

 どうやら道中、バッテリー切れで飛翔能力が落ちた奴を、沢山見掛けたらしい。近付くと『撃たれそう』だったので、近付くどころか、避けつつ放置して来たのだ。


「飛べなくなると『防御回路』だけになるから、大丈夫すよ?」

 黒星の解説に、赤星がパッと振り返った。

「何だそれ? 攻撃して来ないのか? お前、絶対か?」

「はい。『攻撃回路』に回す電気が無くなってるんで」

「だそうです。隊長。どうします?」「じゃぁ、拾って来るか」

 一瞬隊長の方を向いた赤星が頷き、直ぐに振り返る。


「外から見分け付くのか? 『飛べない奴』の」

 確かに外観上、何の目印もない。きっと『暗闇での使用』を想定してのことに違いない。だから小さくても、『明るく光る類の物』が、取り付けられていないのだ。

 それは『液晶ディスプレイ』はおろか、『発光ダイオード』の一つも付いていないことからも明らかである。


「電池パックの蓋の所に、小さいランプが有りますよ?」

「何処だよ」「いやあのぉ。『こう』なっている『この辺』?」

 黒星が両手で『円形』を描き、上から人差し指を矢印状にして指示した。どうやら上面の右隅らしい。赤星から見て。


「いや、判んねぇよ!」「いてっ。だから『この辺』ですって」

 小突かれた頭を左手で押さえながらなので、今度は『円形』を省略して右手でのみ指し示す。赤星は苦笑いだ。


「お前ら、判ったか?」「なんとなく?」「上側?」

 誰も明確に『判った』とは言わない。チラチラ赤星の様子を伺っていて、『言えない雰囲気』がそこにある。

 万が一にもここで『理解』を示せば、この後どうなるか。

 赤星から『何』をされるか判ったものではない。ということだけは、判っているようだ。


「ほらぁ。『この辺』じゃなくて、もっと詳しくだよ」「えぇっ」

 実機を見れば直ぐに判るのに。黒星は『確か『蓋の窪み』の所だよ』と、思いながらも渋い顔。

「こっちは『命』が掛かってるんだからな?」「はいぃ」

 怖い顔に加えて、マシンガントークで責め立てられてしまうと、腹を除く何もかもが、縮み上がってしまうではないか。


「じゃぁ、現地でお前に確認させるぞ?」「詳しく説明します!」

 急に決意が固まった。敗北を悟った黒星の顔が『キリリ』と引き締まる。まるで新人研修にて、初めて『消火用ホース』を握り締めたときのような。

 担当は勿論『筒先』である。握力は無いけど重そうだから。


「説明するのに何か書く物。『タブレット』とかありまs、いてっ」

「ある訳ないだろ! ここを『何処』だと思ってるんだっ!」

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