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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

1,000文字掌編

サイコロギャンブルとイカサマ手鏡の記者

作者: 空原海




 お。

 出たな。

 6のゾロ目。

 あんたの予想通りだ。


 まさかイカサマやってんじゃねえだろな?

 袖口にちいせえ手鏡でも忍ばせてねえか? あ?


 ハハ! まあいいや。

 男に二言はねえよ。なんでも答えてやらあ。


 そりゃおまえ、俺の人生っていったら、人を殺すこと。それだけだ。

 得物は銃かナイフ。

 まあナイフはな、あんまり使わねえよ。肉に食い込む感触がいいだとか、そんなもんは俺にはねえからな。

 そんなクソみてえなことを言いだすやつは、殺しが楽しくて仕方ねえってやつだと思うだろう?

 俺に言わせりゃ、全然違うね。一緒にされるのは迷惑さ。

 俺が好きなのは人殺し。アイツらが好きなのはオナニー。

 一緒にすんなよ、なあ?


 アイツらは殺しが楽しいんじゃねえ。

 肉を切るのが好きなんだ。肉だよ、肉。そんであそこをおったててんのよ。

 わかるか? 肉がないとダメなんだ。

 あんたがいい女のケツをまさぐったりおっぱい揉みしだくのとまったくもって、おんなじさ。


 だけどアイツらは、肉を切らなくちゃダメなんだ。

 想像力ってのがねえからな。

 切って、抉って、取り出して、血を舐め、肉を食う。

 はらわたを持ち上げて、あそこに被せて。

 そうしねえと感じねえんだ。バカだろ?

 ちゃんと自分の手で取りだして中身を暴いて、触ってみなくちゃわからねえってよ。

 中身を取り出したって、出てくるのは真っ黒のきたねえ肺に、ブリブリした黄色い脂肪に、どろどろの血ぐれえしかねえのにな。


 俺?

 俺はノーマルさ。

 ちゃんと女のあそこにあれを突っ込む。それで満足する。

 首を絞めたりもしねえし、腹を殴ることもしねえ。もちろん目ん玉も鼻も唇も、乳首も。噛みちぎったりなんかしねえよ。

 どうだい? 優しいもんだろ?

 ちゃんとキスだってしてやるし、指先だって舐めてやるぜ?


 ハハ! そりゃ指は折るかもしんねえし、爪は剥ぐかもしれねえけどさ!

 そんなもんは仕方がねえだろ?

 だっておまえが始めたんだ。

 そのサイコロふって、出たとこ勝負だってよ。


 おまえが俺の居場所を突き止めた。

 なあ? 巷で話題の『連続殺人犯サマ』と『切り裂き強姦魔サマ』の区別もできねえで。

 ノコノコ乗り込んできやがってよ。


 俺は優しいから、こうしておまえの好奇心に付き合ってやってる。

 さあ、次はおまえの番だぜ。


 ああ、おまえの指、もうサイコロも握れねえな。

 死ぬ前に、ヤっとくか? 男相手だって構わねえぜ?

 それとも今すぐ風穴開けてやろうか?


 俺は優しいからな。

 お前に選ばせてやるよ。




参加方法の条件に合わせて、タイトル変更致しました。

『シックボーをする記者』→『サイコロギャンブルとイカサマ手鏡の記者』

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― 新着の感想 ―
[良い点] イカれてますね~! 殺人鬼はそうでなくちゃ! こだわりって大事ですよね☆彡 でも記者は結局死ぬのか……。私は死ぬとわかっててもこの人と交わるのは嫌だなぁ。 なんて考えてしまいました( *´…
[一言] なんとなく選んでみたら…おお、すごい。 10代の頃に読んでいた本を思い出しました。懐かしい。(メガネに被害者の脳髄こびりついてたのが逮捕の決定打にみたいな猟奇事件読んでました)
[一言] ええい!! やられた!!って感じの テンポとセリフ回し それはグロテスクな映像をとことんまではイメージさせない この感覚は作者様の“男前な”センスなのかしら もし、こんなセンスの“オ…
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