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転生 42日目 ゴブリンストーカー その4

最近は土台が出来てきたのか石を運ぶようになってきた。昔の城作りはこんな感じだったのだろうか?それともピラミッド作りか……


「よう兄ちゃん、知ってるかここの現場監督は昔この国の王様の付き人だったらしいぜ」


「へー、じゃあなんで今こんな腐れたところで働いてるんだい?」


「それが階段で転んで隣の国の親善大使のおっさんにダイナミックチッスをして左遷されたらしいぜ」


「階段で転ぶアホなんているんだな聞いたことないぜ」


HAHAHAHAと楽しい談笑とともに仕事をこなし日が暮れていく……


翌日、今日も今日とて街道に出て川を辿る。

目印をつけたのが1週間も前なので消えてないか心配だ。


心配は杞憂で川で積み上げた石も木につけた印も消えてはいなかった。

印を辿りゴブリンの巣へとたどり着く。

前に来た時と同じように巣穴の正面にはゴブリンの見張りがいる。

特に様子が変わっていないので、これは印に気づかれてないと見ていいのだろうか?


ゴブリンの巣にくるのはいいのだが呪殺というのは単体の相手にしか効かない魔法のようで、まずは標的を決めなければいけないのだがゴブリンというのは基本的に群れでしか動かない。巣穴の出入りしている者たちも2匹ずつで出ていくゴブリンばかりだ。


別に複数体相手で1体だけ呪殺するというのは悪くはないのだが一応死体はギルドに引き渡したい。

魔法書を読む限り呪殺にはかなり面倒な儀式が必要なので、2体同時に呪殺することも多分できない。

そうなると1匹狼のようなゴブリンの方が都合がいい。


そういえば最初に遭ったゴブリンは1匹だったなと思う。囮だった可能性もあるが。

ああいうゴブリンがいるといいのだが。


そんなことを考えながらゴブリンの巣穴を張り込む。

貼り込みは忍耐と根気だ。張り込みなどしたことないが。


張り込みを始めて1時間、ついに1匹で外に出て行ったゴブリンが出てきた。

そのゴブリンを追いかける。


これ漫画なら森の奥まで連れ込まれて、いつまでコソコソしてるつもりだ?と言われるやつだろう。いやゴブリンはギイギイとしか鳴かないが。

くだらないことを考えながらあとを尾けるがすぐに気づいた。印がある道を戻っていると。

つまりあの1匹狼のゴブリンは川に行くのだろう。とはいえ桶を持っていないので水汲みという感じではない。


ゴブリンが川についた。

なにをするのだろうと訝しんでいると、ゴブリンは川に入り何やらグルグルと回っている。

何をしているのかはわからないが、心なしか嬉しそうな顔をしている。

もしかしたら水遊びをしているのだろうか?きれい好きなのかもしれない。


しばらくその様子を眺めていると後ろからガサガサと音が聞こえる。

俺は驚き、素早くその場から移動した。


元居た場所にゴブリンが2匹現れる。

そのゴブリンがなにやら1匹狼ゴブリンにギイギイと話しかけだす。

そしてゴブリン達は3匹で巣の方へと戻っていったのだった。


俺はそれを見送りながらギリギリ気づけて良かったと安堵する。

ゲームで言うところのバックアタックだ、を食らったら笑い話では済まない。

今日はこれくらいにしとこうと思い、国へ帰るのだった。

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