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転生 0日目

目が覚め、目に入った光景は驚くほどの白、白、白だった。

この世の光景とは思えないものに驚きながら体の感覚に戸惑う今まで感じたことのない感覚だ。体は動くには動くようだが宙に浮いているようだ。

幽体離脱か?とくだらないことを考えるが次第に冴えてきた頭で死んだのだろうと思った。

こけて死んだ、なんてなんともくだらない死に方だが犯罪者にはふさわしい死に方だったのだろう。


「起きたわね?」


妙に冷静でくだらない独白をしていると声が聞こえそちらに目を向けると絶世の美女がいた。みっちゃんには敵わないが。

いわゆる女神というやつだろうか?念のため聞くことにしよう。


「どちら様ですか?」


「私は女神よ、おー死んでしまうとは情けない勇者よ」


随分とふざけた感じだがやはり自分は死んでしまったようだ。


「それで俺は地獄行きですよね?」


ある意味では人生の絶頂期に死んだのだ悔いはない。


「いいえ。あなたには転生して異世界を救ってもらいます」


なんと異世界転生だったらしいあまり詳しくはないがチートスキルで無双というやつだろう。


「トラックに轢かれた記憶はないのですが人違いではないですか?」


「いいえあなたはたまたま選ばれたのよ1憶人に1人ランダムに選ばれた人間を異世界に送ってるの」


ただ運がよかっただけらしい。


「あんまり気が進まないんですが異世界を救わないといけないのですか?別の生き返りたい人に頼むことはできません?」


「あんたねえ、そこは素直に喜びなさいよ?大抵の人は異世界チート無双だわーいってなるのよ?」


「なんか話がうますぎるとあんまり喜べないんですよね。くれるんですか?チートスキル」


それを言うと妙に女神がニヤニヤしだした。


「それがさあ、ちょっーとね」


やはりなにか落とし穴があるのか?


「あんたの容姿を人並みにしてたらスキルポイント9割なくなっちゃったのよね」


思ったよりひどい理由だった。勝手になんてことをしてくれたんだろう。


「たしかに俺の見た目はひどいですけど、世界を救う人間の容姿なんて関係ないのでは」


チートスキルで無双させてくれた方がまだマシというか、異世界を救うなんて大役なのだから。

しかも人並みと言ったイケメンですらない。


「それは私が嫌だから世界を救う人間が不細工なんて笑えないでしょ」


この人間は女神にふさわしい者なんだろうか。いや人間ではないのだが。


「で、ついでにあんたにふさわしい能力つけといたから」


こちらの要望を聞く気すらないようだ。

女神がなにやら妙な動き?踊り?を始め、ビシッと俺のことを指さした。


「ずばり呪殺よ!」


あまりにも異世界を救う者にはふさわしくなさそうな能力が出てきたな。


「あなたの人生を調べた感じこれがいいんじゃないかなと思ってね。ていうかー残ってるポイントで魔王倒せそうなのこれしかなかったし」


人権なんてないんですね。しかもなんかサラっと最後に聞き捨てならないことを言われた気がする余計なことにポイント振らなければよかったんじゃないですかね?


「すいませんが、さっきの話に戻るんですが俺が異世界を救う理由がないのであまり気が進みません。異世界に行っても魔王を倒さなかったらどうなるんですか?」


これを聞いて女神は少し嫌そうな顔をした。


「あんたよくめんどくさい人間って言われない?」


言われますよ。


「まあいいわ。魔王を倒したら元の世界に戻してあげるわ。あとあなたが救わないとその異世界は滅びるから」


それ選択肢ないのでは。しかも元の世界に戻っても豚箱行きだ。

俺の心を見透かしたかのように女神がふふんと花を鳴らした。


「ちなみにあんたが死んだのあんたの勘違いだから」


「どういうことですか?」


「警察が話してた不審者って言うのはあんたじゃないのよね。あんた勘違いして勝手に階段転がり落ちてトラックに轢かれて死んだのよ。なんか多いのよね階段転がり落ちてトラックに轢かれるやつ」


これはかなり恥ずかしい。というかやっぱりトラックに轢かれてたんだな。

だがつまり現実に戻り、またみっちゃんのストーカーに戻れると言うことかやる気がわいてきた。


「それで呪殺ってのはどういうスキルなんですか?」


これだけは大事なことだから聞いておかなければ。


「相手の体の一部を媒介として相手への想いを糧に相手にダメージを与えるスキルみたいね。改めてみると気持ち悪いスキルね」


気持ち悪いというようなスキルを勝手に割り振らないでほしい。


「はい説明はこれで終わり!あとは適当に頑張ってね」


「え、終わりですか?もっと色々ありますよね?」


「私はこう見えて忙しいのよ。本当に頑張ってくるのよ全く期待してないけど」


さっきこいつはこちらのことをめんどくさいやつと言ったがこの女神も大概だろうだいたいの言葉で一言多い。

気持ちの整理もつかないままに女神がなにか呪文のようなものを唱えだしてしまった。


「~~~~~」


「あの、一応俺まだ行くとは言ってな」


言い終わる前に意識が遠のいていく……

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