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040 新武器完成

 ――1ヶ月後。


「そろそろ1ヶ月経つんじゃないか?」


 俺はふと思い出し、1ヶ月が経過していることに気づいた。夢中になってレベル上げしていたらいつの間にか1ヶ月が過ぎていたのだ。そしてレベルは4500に到達した。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 ラング 17歳 男

 レベル:4500

 HP:45000(10✕4500)

 MP:67500(15✕4500)

 攻撃力:153000(34✕4500)

 守備力:103500(23✕4500)

 器用さ:45000(10✕4500)

 素早さ:157500(35✕4500)

 知 性:157500(35✕4500)

 幸 運:4500(1✕4500)

 スキル:パイソンLV7、貧乏LV10、剣術LV4、投擲術LV3


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「カザドが俺を待っているとしたら不味いな。不機嫌になっていたら武器を譲ってくれないかもしれないぞ。急いでカザドのところに行くとしよう」


 俺は急いでダークドワーフ地下要塞に向かった。1ヶ月ぶりの都市だ。カザドの鍛冶屋も変わりないようだ。


「カザドは居るか? ラングだ」


 俺が鍛冶屋の扉を開けて呼びかけると、工房の奥からカザドが現れる。


「おお、ラングか。久しぶりだな! 全く噂も聞かなくなったから死んだかと思ったわ」


「この通り生きてるよ。坑道に籠もってずっと修行をしていたんだ」


「おお、本当だ。以前とは見違えるほど強くなったようだな」


 カザドは盲目だが、代わりに第六感が鋭いのかもしれない。ちなみに今の俺のレベルは4500だ。


「ところで、剣は完成したのか?」


「ああ、つい昨日完成したばかりだ。ワシの人生で最高傑作が出来上がったぞ! ちょっと待っとれ」


 不機嫌というよりも、むしろ上機嫌で良かった。最高傑作が出来たから自慢したいのかもしれない。カザドはすぐに剣を持ってきた。剣はシルクの布に包まれて大事に扱われている。


「この剣の刀身を鍛えたのはワシだが、研いだのはこの都市最高の研ぎ師だ。そして柄や鞘もそれぞれ最高の職人に依頼した。皆驚いておったよ。今まで扱ったどの宝剣や魔剣よりも素晴らしい剣だとな」


「それは楽しみだ」


 カザドが作業台の上に剣を置くと、布を取り払う。そこには白い鞘に収まった装飾がほとんど無いシンプルな剣があった。だが、確実に今までの剣とは別格であることを感じさせる何かがあった。


「【神刀ジュピター】だ。これはワシのほうで名付けさせて貰った。この土地の慣習なんじゃ」


「手に持ってみてもいいか?」


「勿論だ。もうお前さんの物だしな」


「じゃあ、遠慮なく」


 剣を持ち、鞘から刀身を抜く。刀身は薄すぎて向こう側が透けて見えるほどだ。ついでに鑑定もしてみる。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


【神刀ジュピター】

 ランク:S

 攻撃力:+10000

 属 性:無

 スキル:全てを分かつもの(消費MP0)

 特 性:攻撃力+50%


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 攻撃力が桁違いだ。スキルの内容はよく分からないが、消費MP0っていうのは初めて見た。


「こんなに刀身が薄いとすぐに折れてしまうんじゃないのか?」


「なんじゃ、知らないのか? ダークドワーフが作る刀身は薄ければ薄いほど切れ味と強度が増すんじゃぞ。これほど薄く出来る者はワシくらいしかおらん。まぁ、鉄喰いの核の強度と黒竜の喉仏の火力があってこそ出せる薄さだがのう」


「試し切りをしても?」


「ああ、ここに試し切り用のクズ鉄がある。斬ってみろ」


「大丈夫か? クズ鉄と言えども刃こぼれなんてしたら……」


「馬鹿者が! そんなヤワな鍛え方しておらんわ」


「そ、そうか。じゃあ遠慮なくいこう」


 俺が刀を鞘から抜くと勝手にパイソンの書が現れて共鳴し始めた。


『パイソンのスキルが拡張されました』


 そして、ジュピターが勝手に浮き上がりクズ鉄を真っ二つに切り裂いた。


 スンッ! ゴトッ


「何もしていないのに勝手に刀が動いて斬れたぞ」


「本当におぬしは何者なんじゃ。こんなのは見たことも聞いたこともないぞい」


「よく分からないが、俺のスキルとこの刀の相性は最高なようだ。それにこの斬れ味、これは最高の刀だな。ありがとう。大事に使わせてもらう」


「ワシも鉄喰いの核を扱う事が出来て夢が叶ったわい」


「目的の物も受け取ったことだし、そろそろ行くことにする。明日にはこの都市を離れる予定だ」


「ああ、その剣のメンテナンスが必要なときはここに来い。お前なら歓迎してやる」


 俺は再度お礼を言って、鍛冶屋を出た。そして、次の日には予定通りダークドワーフ地下要塞を出発するのだった。



「お客さん、冒険者かい?」


 首なし馬車の御者が尋ねてくる。


「ああ、そうだ」


「目的はアレだろ? 夢幻ダンジョン。降りる場所は夢幻郷だろ?」


「そうだ。よく分かったな」


「冒険者のお客は大体そこで降りるからなぁ。お客さんみたいに強そうな人は特にね」


「そうか。急がなくてもいいから安全運転で頼むよ」


「オーケー。長い旅になるからそのつもりでいてくれ。野盗が現れたら倒してくれよ」


 俺の次の目的地は夢幻ダンジョン。レベルアップの最高峰ダンジョンと言われている場所だ。

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