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036 冒険者ギルドへ報告

 というわけで冒険者ギルドにやって来た。受付には相変わらず小さな女の子が居た。


「冒険者のラングだ。ダークドワーフ坑道について報告したいことがある」


「また、あなたですか。どうせ、坑道で迷って命からがら逃げてきたんでしょ?」


「いや、侵入禁止エリアの鉄喰いを討伐して来たんだが……」


「鉄喰いを倒してきたですってーーー!?」


 受付嬢は驚きすぎて大声を出してしまったようだ。


「まじかよ!?」


「嘘に決まってるだろう。S級冒険者でも倒せなかったんだぞ?」


 おかげで冒険者ギルド内に居た他の職員や冒険者にも伝わったようだ。


「おい、大声を出すなよ。情報については守秘義務があるんじゃなかったのか?」


「す、すみません……しかし、本当なんですか? もしも、嘘だと判明した場合、重いペナルティーがありますよ」


「大丈夫だ。ここに証拠がある」


 (あらかじ)め用意してあった革袋から鉄喰いの核を取り出す。


「こ、これは!?」


「鉄喰いの核だ。鑑定でもなんでもしてくれて構わない」


「しょ、承知しました。これはお預かりします。ここで少々お待ちください!」


 ドワーフの受付嬢は急いで裏の鑑定部屋に向かったようだ。


 しばし待つとまた急いで受付嬢が走って戻ってくる。見た目が女の子なせいで微笑ましく思ってしまう。


「ハァハァ……今微笑ましいとか思ってたらぶん殴りますよ! あ、鑑定結果が出ました。本物でした」


「それは良かった。これで、報告は済んだ。俺は帰らせてもらう」


「待って下さい! そうはいきません。前代未聞の事なので、詳細な説明をギルド長に直接していただきます」


 やっぱりそうなるよな。面倒だが、グオーガの手下が死んだ件も含めて報告しておいたほうがいいだろう。


「……分かった。案内してくれ」


「では、こちらへ」


 ギルド長の部屋に行き、事の顛末(てんまつ)を説明した。もちろん、グオーガの手下の死体が大量に転がっていた件も含めてだ。


「むう、にわかに信じがたいことじゃ。しかし、鉄喰いが死んだという証拠はある……。あとはおぬし、ラングと言ったか、ラングが鉄喰いを倒すほどの実力者なのかという点さえ明らかになれば、真実であると認定しよう。もちろん、それに応じた報酬も支払う」


 なんだか面倒な方向に話が進んできた気がする。


「俺が実力者かどうか? それはどうやって調べるんだ?」


「S級冒険者と戦ってもらう。その結果で判断しよう」


「はぁ……面倒だが仕方がない。いいだろう」


 今後の予定も決まっていないしな。それに、S級冒険者がどれほど強いのか知っておくのも良いだろう。ソニアは強すぎて参考にならなかったしな。


「そうと決まればすぐに準備じゃ。ルクル、S級パーティー【サイクロプスバスターズ】を呼んでくれ。多分、酒場に居るじゃろう」


「は、はい! すぐに呼んできます!」


 ルクルと呼ばれた受付嬢は急いで出ていった。


「よし、冒険者ギルドの訓練場に移動しようじゃないか。そこで待とう」


 俺はギルド長と共に訓練場に移動し、S級パーティーとやらが来るのを待った。

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