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020 トレイン

 ――――ダンジョンでのレベル上げを始めてから5日が経過した。


「魔法の威力が上がった気がする。試しに連射回数を減らしてみるか」


 敵が現れる度に連射回数を減らしていく。


「ファイアーボール4連射!」

「ファイアーボール3連射!」

「ファイアーボール2連射!」

「ファイアーボール!」


 グリーンスライムはファイアーボール1発で倒せるようになったようだ。


「魔法の威力が最初と比べて5倍以上に上がったってことか! かなり成長したなぁ。一応ステータスを確認しておくか」


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 ラング 17歳 男

 レベル:617

 HP:6170(10✕617)

 MP:9255(15✕617)

 攻撃力:2468(4✕617)

 守備力:1851(3✕617)

 器用さ:617(1✕617)

 素早さ:3085(5✕617)

 知 性:3085(5✕617)

 幸 運:617(1✕617)

 スキル:パイソンLV4、貧乏LV10、剣術LV2


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



 今まで5連射しなければ倒せなかったスライム各種を1発で倒せるようになり、経験値を稼ぐ効率がかなり上がった。俺は魔導ダンジョンの階層を登り続けた結果、20階に到達した。


「やっと20階層か……」


 攻略情報によると25階層にキングスライムが居て、50階層にダンジョンボスである双頭の巨大蛇が居るとのことだ。


「きゃあああああああ!!」


「先生助けてえええ!!」


 少し歩くと複数の悲鳴が聞こえてきた。俺は急いで声がする方向に走る。通路の角を曲がると、その先には大量のスライムに囲まれながら戦う1人の女性と5人の少女達だった。


「伏せろ! アイスアロー20連射!」


 出来るだけ周囲に被害が出ない魔法を選んで連射する。大量のスライムはアイスアローに貫かれて四散した。伏せていた女性が立ち上がり、こちらに視線を向ける。


「どなたか存じませんが、助かりました」


 装備は所々が溶けかけており、本人もダメージを負っているように見える。


「運良く通りがかっただけだ。回復薬は持っているか?」


「……全て使ってしまいました」


「アイテムボックス」


 俺は下級ポーションを10本取り出すと、女性に渡した。


「これを飲むといい。生徒達にも配ってくれ」


「ありがとうございます。私はルイーズ魔法女学園の教師をしているマーシャと申します」


「俺はラングだ」


「すみません、こんなことをお願いできる立場ではないのですが、はぐれた生徒達が他にも大勢います。どうか助けてください。お願いします!」


「……仕方がない。俺が出来る範囲で良ければ助けよう」


 俺は少し考える素振りをした後、そう答えた。


「ありがとうございます! 生徒達が逃げた方角はあちらです」


 マーシャはそう言って指差した。


「分かった。マーシャさん達は動けるなら下の階層に行ってくれ。無理ならここから動かないように」


「分かりました。生徒達は精神的なショックで動けないのでここで待ちますね」


 俺は(うなず)くと、他の生徒達が逃げたという方向に向かって走り出した。このダンジョンは入り組んでいて見通しが悪い。俺は罠や曲がり角のモンスターに警戒しながらも急ぐ。倒れている生徒や襲われている生徒を見つける度に、モンスターを蹴散らしてポーションを配った。


 25階層に到達した。この階層に来てすぐの場所で座り込んでいる生徒が居た。


「大丈夫か? 俺はルイーズ魔法女学園のマーシャさんから救助依頼を受けて来たんだ」


 生徒は最初怯えていたが、教師が出した救助依頼で来たことを知ると少し表情が(やわ)らいだ。


「この先に進んだ友達が帰って来ないんです……。助けてください!」


「わかった。必ず助けるから君はここで待っててくれ」


 攻略情報では、この階層にはボスであるキングスライムが居るはずだ。俺は急いで先に進んだ。


「あれが……キングスライムか!」


 豪邸よりも巨大なキングスライムがそこに居た。

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