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015 ゴールドタウンでショッピング

 俺とリタはゴールドタウンに戻ってきた。最初に払った通行税は本来支払わなければならないのだが、門で行われているはずのチェックが今は行われていなかった。


「ゴールドタウンの門兵が居ませんね」


 リタも気になっているようだ。


「居ないのだから仕方がない。このまま通らせてもらおう」


 今回は前回のリベンジだ。前回、物々交換で断られた宿に向かった。


「店主、物々交換で一泊させてもらいたいのだが」


 俺の手にはゴールドダンジョンで獲得した金塊が握られている。


「またあんたかい! ……え!? その金塊は!! お客様、最高の部屋にご案内致します」


「あ、ああ、頼む」


 あまりにも態度が変わったので、こちらも驚いてしまったが、リベンジは成功したと言っていいだろう。最高級の宿を確保した俺達は次に武器防具屋に向かった。


「店主、物々交換で一番良い装飾品が欲しいのだが」


 俺の手にはゴールドダンジョンで獲得した大きめの金塊が握られている。


「またあんたかい! ……え!? その金塊は!! お客様、攻撃力と守備力が10%アップする黄金の腕輪はいかがでしょうか?」


「ああ、それでいい」


「ついでにMPが上がる装飾品もないか?」


 金塊を2つに増やした。


「すぐに持ってきます! 少々お待ちくださいー!」


 MPが上がる装飾品はリタ用だ。


 武器防具屋でのリベンジも成功だ。俺とリタは早速、購入した装飾品を装備して次の道具屋へ移動した。


「店主、物々交換で一番良い道具が欲しいのだが」


「ええ、すぐ横の武器防具屋で購入されているのを見てました。なんでもご用意致しますよ」


 さすが商売人だな。


「じゃあ、状態異常を回復する薬はあるか?」


「万能薬ですな? ありますよ」


 金塊を渡して、万能薬を手に入れた。そして最後に料理屋だ。


「店主、最高の料理と酒が欲しいのだが」


 金塊をチラッと見せる。


「え!? その金塊は!! お客様、王族や貴族に人気のクラーケンのカルパッチョと暴れ牛の赤ワイン煮込み、超希少な100年物のウイスキーなどいかがでしょうか?」


「それはいいな、各種ワインも付けてくれたら金塊を2つにしよう」


「すぐに準備致します!」


 これで全ての店での物々交換が完了した。アイテムボックスもかなり充実してきたぞ。特に料理や酒が。


「ところでお客様」


 突然不安そうな顔で店主が話しかけてくる。


「どうかしたか?」


「ゴールドダンジョンが崩壊したという噂を耳にしたのですが、本当なのでしょうか?」


「ああ、昨日崩壊したところを見たぞ」


「本当だったんですか!? これは大変なことになるぞ……。下手をすれば戦争が起こる。私達商人はすぐにでも街を出た方が良さそうですね。ありがとうございました」


 そういって店主は店じまいを始めた。戦争が始まるのか。これは俺達も別の街に旅立ったほうが良さそうだ。


 街は活気があったが、今までとは違いどこか不安げな顔をしている人が多いように思える。やはり何かが起こる前兆なのかもしれない。


 宿に戻って最高級のソファに座り、今後のことについてリタと話し合う。


「リタ、この街で戦争が起こるかもしれない。俺達は別の街に移動したほうが良さそうだが、まだ見たい場所はあるか?」


「ううん、もういいよ。次はどんな街に行くんですか?」


「次は魔法都市エンフィールに行こうと思う」


「魔法都市! なんだかワクワクします」


「もしかしたら魔法を覚えられるかもしれないと思ってな」


 俺は魔法を1つも使えない。魔法が使えるようになれば更に強くなれると考えたのだ。その日は筋力トレーニングをしたら、早めに寝て翌早朝にゴールドタウンを出ることにした。

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