表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/63

012 ゴールドタウン<ラクネ視点>

 ゴールドタウンはゴールドダンジョンの最寄りの街として発展した。国境に位置しており、魔族と人族が不可侵の法によって共存している街である。


「今月のゴールドタウンの稼ぎはどうなっているんだい?」


「順調です。例年の1.5倍となる見込みです」


 その返事に(わたくし)はニヤリと笑う。ゴールドタウンの魔族側を仕切っているのは魔王軍四天王のラクネ、この私であった。


「魔王様からここを管理するよう命令されているのよ。絶対にミスは許されないわ。気を引き締めなさい」


「はっ!」


「私はこれからゴールドマンと会議をしてくるわ。後のことは頼んだわよ」


「了解です。お気をつけて!」


 ラクネは魔族側の塔から連絡通路を通り、中央の塔に移動する。会議はいつも中央塔で行うのだ。今日会議を行う相手、ゴールドマンは人間側を仕切る人物である。


「よくきてくれた、ラクネ殿」


 会議室に入ると既にゴールドマンが待っていた。


「さっさと始めようじゃないか。(わたくし)達の時間は有限なのだから」


 そう言って私は席に着く。


「まず最初の議題だが、現在魔族側の人数が人間側より多くなりつつあるようだ。これは問題だ。魔族と人間の人数は一定に保つ必要がある」


「それはその通りね。魔族側の通行税を増やしましょう」


 ゴールドマンは頷くと木づちを打ち鳴らした。それに合わせて書紀が決定事項を記していく。


「次の議題だが、人間側のとある人物がギャンブルで大儲けしたようだ。今、その人物の財産は既定値を超えてしまっている」


「またなの? この前も人間側で同じような奴が居たじゃないのさ。人間の欲望は底なしなのかい?」


「仕方がなかろう。それで、今回も頼めるか?」


「面倒だけどやるわよ。それがここのルールだものね。今夜中に殺すわ」


 ゴールドマンは再度木づちを打ち鳴らした。財産を持ちすぎた人物には消えてもらうのである。その後もいくつかの議題を話し合い、私とゴールドマンの会議は無事に終了した。最後に握手をして会議は終了となった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ