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眩い記憶6  作者: NOMORE
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ガスライティングされた話

私はデイケアというところに行っている。

しかも毎日ではなく隔日で行っている程度。この頻度は、学生のころ授業のない日にデイケアに通ってしまっていたせいである。


デイケアというのは特殊な人たちが特殊な訓練を受けた人たちと和気あいあいと過ごす場である。

というのは最初のころ私が思っていた偶像だった。


まず今日の話。

先週診察のときに、デイケアのスタッフが五月蠅すぎてイヤホンをしていないと耐えられない、という話を主治医にした。

主治医は責任者に話をするということだった。

そして今日、私はあるスタッフからガスライティングをされた。


そのスタッフにも私が五月蠅いと思っているという情報は伝わっていたはずだ。

私はその時休み時間でピアノを弾いていた。

気づいてはいたのだが、私が来ていない間に私物の楽譜集がクリスマスリースを飾る盾として使われてしまっていた。私は暗譜していたので気に留めずにピアノを弾いていた。

するとそのスタッフが背後にいつの間にかおり、

「楽譜なくても弾けるの?」と言いながらこっそりと自分のスマホの画面を見せてきたのだ。

スマホには通話中の画面が出ていた。

あまりに突拍子もないことだったので、その時は「弾ける曲もあります」と言ってそのまま弾くのをやめた。

数分経ってから、あれは何だったのかということに気づいたのだ。

お前のほうが五月蠅い、というほのめかし。

通話で話は伝わっているぞ、というほのめかし。


これがガスライティングではなく、ただの偶然であったらよかったかもしれない。

しかし、私には偶然ではないことが分かった。分かったので確かめる手段をとった。


まず、複数でやられいてるかもしれないという予測を立て、そのスタッフ以外の作った物を壊した。それは壊したのに誰にも咎められなかった。監視カメラが映るところでやっていたにも関わらず。様子見ということなのか、もっと法に触れるようなことが起きない限り何もしないという、ことなかれ主義のせいなのかは分からない。

そして次に、ピアノのことを触れてきた本人と患者とで作ったと思われる小さな作品の並べられていたものを二階から地面に落とし、手のひらサイズのその辺の石で一つ一つ粉砕した。

そのことは誰も咎めることはなく、犯人捜しも行われなかった。

なので今度は、私の楽譜集で立てられていたクリスマスリースを延長コードでピアノの椅子にかなり頑丈に縛り付けた。

これはかなり誰の目にも目立っていたはずだが、誰も咎めることも気にする素振りさえなかった。


ここまでやって何も言ってこないとなると、ガスライティングしていることが分かられてしまったから何もしない、という線が濃くなった。というよりもう確信に近い思いを抱いたのだ。


その日はいつも通り帰ったが、まだムカムカとした気持ち悪さが落ち着かず、病院に10回ほど電話を入れた。もちろんもう閉まっていたので通話は出来なかった。


最近酒を飲んで電話をしても誰も出てくれなくなった。本音を言ったからだろう。

私は普段は本音をほとんど言えない。

だからこそ本音のどす黒さを知った時に人が離れて行くのだ。


しかし今回のことは一体誰が悪いのだろうか。

今の私の精神状態と家庭と恋愛においての緊張感、切迫感が影響してのことなのか?

それともその五月蠅いスタッフが私には全く合わない人間だったのか?


とにかく今回のガスライティングについては追及する必要がある。

ばれていないとは思っていまい。どちらが上に立つかの問題なのだ。

私はどんなに居心地が悪くとも勝負に負ける気はない。


覚悟しておけよ。



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