戯言〜コロナ一色の今、書籍化目指して頑張り過ぎていいのかな?
どうも今晩は!シサマという者です。
普段の私は、「小説家になろう」サイトに関するエッセイは『唯我独尊なろう道』という連載エッセイにひとまとめにしているのですが、今回ふと思った事はエッセイレベルの内容に到達していないので、「戯言」と断りを入れて個別に投稿させていただく事になりました。
さて、一時は終息の兆しを見せるかと思われていた新型コロナウイルス被害も、順当に第2波が訪れてしまい、かと言って経済活動を止める訳にも行かない為、「全く予測がつかないが拡大傾向」という最悪の状況を迎えています。
私の地元の様な、職場以外で3密になりそうにない田舎ならまだしも(笑)、都会で生活する人達にとって、「若ければ重症化しない」、「感染してもインフルエンザ以下」という言葉にも安堵する事は出来ないでしょう。
そんなコロナ一色の中、インターネットの世界である「小説家になろう」サイトは賑わっていても、サイトを飛び出した出版業界、流通業界への打撃は計り知れません。
飲食店や風俗店だけが困っている訳ではありませんよね。
例えば、先月始めに公募が締め切られた「集英社Web小説大賞」ですが、普段なら公募が締め切られても「選考中」などという文字とともにサイトのトップページに情報が残るものですが、現在は公募作品のリストが見られるのみです。
これはつまり、選考中ではあるけれど、コロナパニックの経過をしっかり追わなければ、迂闊な出版や流通は経営的に不可能であるという、業界の現状を表していると考えられないでしょうか?
ただでさえ出版不況の現在、紙の書籍出版部数は減少し、一時期はバブル的であった「なろう作品」の書籍化も、売上部数の減少とともに下火になっています。
その要因には、コロナパニック以前からの粗製乱造や動画サイトへの娯楽の移行がまず挙げられますが、コロナパニックの下では、そもそも「モノ」を扱うだけでリスクを伴うという現実を把握する必要があるでしょう。
例えば書籍は、積んであれば不特定多数の方の手が触れる訳であり、「濃厚接触なしの前提で自身のウイルスを感染させるリスクが減る」という効力だけのマスクは、殆ど無意味になります。
また、Amazon等の通販サイトで書籍を購入するとしても、倉庫が大都市にある場合が多く、作業の環境も余り良好とは言いがたいので、現場で働く人に非は無くともリスクは避けられません。
生活必需品ではないものを扱う業界は、私達が想像する以上に大変なのではないでしょうか?
公募型の新人賞への影響は、当然今後も表面化して行くと思われますが、「なろう」ランキング型の書籍化にも、コロナパニックの影響が徐々に表れて来ていると実感します。
とある人気の書籍化作家様は、近年は平均して年に2作品の書籍化を実現していました。
そのいずれもが「なろう」ランキングでの好成績を続けた結果のものでしたが、今年に入ってからは新規作品の書籍化はありません。
その作家様は相変わらず毎日作品を投稿しておりますし、作品の中には月間総合1位を記録した作品もありました。
私個人としては、その作家様の作品に興味はありませんでしたし、口の悪い読者様の中には「粗製乱造のバチが当たったんだ」と言う意見もちらほら。
しかし今問題なのは、これまで確かな指針として存在していた「ランキング型書籍化への道」が揺らいでいるという事実なんです。
「小説家になろう」サイト内の、ハイファンタジージャンルの日間ランキングを見れば分かると思いますが、未だ「ランキング型書籍化への道」に集う情熱は圧倒的で、私から見れば、ここだけがまさに「異世界」ですね。
このランキングでは、日夜心身を磨り減らしながらランキングを極め、それでいて「売れる」と判断した出版社からの声が掛かるのを待ち続けなければいけません。
コロナパニック真っ只中の現在であっても、当然出版社はこのランキングの作品に注目はしているでしょう。
しかしながら、コロナパニックの行く末を見守らなければ出版や流通のGOサインが出せない状況だとしたら、結果としてこの時期の作品にスポットライトは当たらない可能性があります。
だからと言って、ライバル達を尻目にひとり休息したり、作者の自由な意思による方針転換は出来ないでしょう。
とは言え、現状が特殊で異常な事態にさしかかっているという事だけは、作者様にも認識していただきたいと思います。
心とお身体を大切に……。