あのジェラート
宇宙の広がりを思うことがあった。
星の観察をしてみようとして、
どこに行けばいいかと考えた時に、
宇宙について、懐かしく思った。
忙しくなる前は、
星のことに思いをめぐらせていた。
宇宙がある理由について
あれこれ想像し、
時々、明るい夜空を見上げては、
微かな星の光に聞いてみた。
あの日もそうだった。
帰り道、ジェラートを食べながら、
星を見ていた。
都会の空は明るくて、
星なんか見えないとよく言うけど、
見えていた。
幸せとか、お金とか、
夏休みとか、勉強とか、
そんなことは丸ごと飲みこんで、
何の跡形も残さない宇宙の星が、
ずっと、ずっと見えていた。
それが、ぼくなんだ。