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野生の○○が現れた!

ネコの手をもふもふしたい

 竜が去った後、マリーは天上墓褝(てんじょうぼたん)の花を摘んでいた。籠いっぱいに詰まった天上墓褝を眺め、彼女は嬉しそうに顔を綻ばせ


「これだけあればアリーも、村のみんなだって元気いっぱいになるよねっ!」


 そうして花を摘み終わり、早速村へ帰ろうとした所……ポツンと水滴が一つ彼女の頭に落ちた。


「あれ?」


 マリーは空を見上げると、さっきまで雲一つない快晴だったのに、今は空全体を黒い雲が覆い隠している。山って女の人の機嫌みたいに変わりやすいってお父さん言ってたなーとふと思いながら、彼女は雨が酷くなる前に急いで帰らなきゃ!と足を速める。すると──


ドドーーーーーーーン!!!!!!


「ひゃあ!!?」


 大きな雷が目の前に落ちた。間一髪で身体には当たらなかったものの、後数cmずれていたら……そう思うとゾクッとするマリーだった。


「い、急いで帰らなきゃ!」


 頭上で蠢く雷雲が怖くなり、打たれない内に速く帰ろう!とマリーは走った。しかし


「いでっ!?」


 足が絡まり転けてしまう彼女。それと共に背負っていた籠の中身を周りにばら蒔いてしまう。


「はっ!?ま、待って雷さん!今拾ってるから落とすの少したんま!?」


 先程の雷がトラウマなのか、誰に対して言ってるのかよく分からないほどテンパっていた。


その隙を狙っている()がいた。


『GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』


 好機だ!とばかりに上空10000mから10秒足らずで急下降し、こちらへ襲いかかってくる竜。マリーは自分に近付く脅威に気付く様子は少しもない。彼女は落とした天上墓褝の花を拾うのに必死だ。音速を超えた速度でこちらは近付いてくる竜。後数十メートル。このままでは彼女は死──


「ふぅ、何とか間に合ったにゃん」


──ぬことは何者かによって防がれた。


「大丈夫かにゃ?」


 竜がマリーの身体に喰らい付こうとしたその時!神速の如く現れたリンの()()がその牙を弾き飛ばしたのだ。


「きゅー……」


マリーは驚きのあまりか気を失っていた。


『あらら、この娘目を回しちゃってるですね』


 取り敢えず悲鳴を上げたのはこの娘で間違えないと思うんだけど……。気を失ってる女の子を見て、道聞きたかったな……と思ったリンであった。

そんな思いは露知らず、竜は獲物が横取りされたと憤っていた。


『GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』


 1000本を超える雷が束となってリンへ降り注ぐ!

しかし──


「うっさいにゃ」


 リンはまるで雷なんて落ちてなかったかのように無傷だ。抱き抱えている少女もまた無傷。


何故彼女たちが無傷かと言うと。


(魔王級S(スペシャル)B(ボス)M(モンスター)黄金雷殻 ケオン・マスの撃破ドロップ装備のお蔭だにゃん)


 彼女が身に付けている装備。黄金雷輪 ケオン・マス。

この装備の効果は雷属性攻撃の()()()

 そして、超高速で震動することによって()()()()()()()()ことができる。


 これがなくてもリンの身体能力なら落雷を()()()()()こと位造作もないことだが、少女に負担を掛ける訳には行くまい。


しかし先程の落雷はあまりにも不自然だった。


「今さっきの雷、それに今降っている雨も()()()()()のせいにゃね?」



1000本同時とか有り得ないにゃ、と自慢の雷が防がれたことを理解できていない様子の竜に向かって言う。


『GA!?』


 はっ!?と人で例えるならそういう驚嘆詞が付きそうな反応をする竜。ふと周りを見渡すと、そこには真っ赤な()花が()辺り一面に咲いていた。


『わおっ、これだけあれば国一つ滅ぼす量の()()が作れそうですね』


 あまりにも異常な光景にバステトも若干声がひきつっている。確かに恐ろしい量にゃん。それにしても、なんでこんな所に少女がいるんだろう?腕の中で気絶している少女を見つめ疑問に思ったリン。

 それに天上墓褝(てんじょうぼたん)がこんなに集中して咲いているにゃんて……。疑問は尽きにゃいけど、先決は……。リンは眼前にいる竜を見つめると


「そこのトカゲ!先に手を出したからには……」


やられても文句無しにゃよ?リンはニヤリと笑みを浮かべた。


『うわー、リンがすっごく悪い顔しているのですよ』


 これはスイッチ入っちゃいましたね。と呟くバステト。

い、いけないにゃ、これじゃ仲間にバトルジャンキーって言われるのも否定できないにゃあ!

 気を取り直すため顔を肉球でもっふもふして

……う~!よしっ!

って手がもふもふなせいで気合いが入れにくいにゃ!?


『GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』


 自慢の雷を防いだこちらを脅威と認識したのか大きな咆哮を上げる竜。

 ボクは指をちょいちょいと曲げ、竜を挑発する。


「さぁトカゲ!かかってこいっ!……にゃん!」


『取って付けたような『にゃん!』ですねー』


「う、うっさいにゃ!」


遂にリンと竜の闘いが幕を上げる!



=================================

n■me:リン・クロッケン


Lv.999(未■放)


■ob:化猫神


s■■ll:肉球拳。■■■■


drive:【sta■■】第二形態『ネコの手』……誰かを■■ようと決意した時に発動する。■■成功、若しくは■■失敗するまでの間ステータスが■■倍される。



=================================











バステト『ほらリン遂に出番なのです!』


リン「締まりのない決めゼリフになっちゃったけどねっ!?」

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