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Ωの花とαの檻  作者: 夕霧
2/2

厄介な客

「おや旦那様、お隣に居るのは?」

声を掛けた青年は、髪は黒く肩に届くほどの長さで、右目には少し長い前髪がかかっている。男だが、色気はとてつもない。

そして隣には、派手な色の着物に身を包んだ女がいた。

「次期楼主の悠助だ。」

「そうですか。初めまして、私は蘭丸。

これから宜しく御願いしますね。」

蘭丸はフフッと笑うと「行きましょう」と言って、女と共に座敷に入って行った。

(見るだけでもゾッとする。あの笑顔で何人の女を抱いたのだろう。まぁそれが、此処の(遊郭)仕事か。)

悠助はこれ以上深く考えず、榊に大人しくついていった。



「だから、分からんのか!儂が宇治宮を申しているのじゃから、早く出せい!」

「ですから、宇治宮は今、座敷の方に出ており...。」

「葵、悠助を頼む。

・・・鈴城様、どうしましたか?」

榊は怒りを抑えようと、鈴城に近付く。

「儂に宇治宮を出してくれんのじゃ。

高額の金を払っておるのに。」

「申し訳ありません。

代わりの男達もいらっしゃいますから。」

「そんな宇治宮に敵う者等・・・。

おぉ、彼奴が良い!」

鈴城は悠助を指差した。

(お、俺?)

「すみませんが、彼奴は...。」

「まだ、見習い等と言い出すのだろう?その点は大丈夫だ。金はしっかり払う。」

鈴城は榊の言葉に聞く耳など持たず、ドカドカと悠助に近付く。

そんな時、葵が悠助の前に立った。

「お引き取り願いたい。」

「っ、餓鬼の分際で何を。お前達、来い。」

合図をすると、体格の良い男達が鈴城に近寄る。

「きゃ~~~!」

どこかの女が叫ぶ。

「ったく、世話が焼ける。」

葵は木刀を取りだし、男達に向ける。それに負けずと男達も鞘は付いたままだが、刀を取り出す。

男達が左右から切り掛かって来たが、葵はするりと避け、一人の男の背中を叩いた。

「グアッ!」

「っ!おりゃ~!!」

もう一人の男は鞘から刀を取り出して、狙いを悠助に変えた。

「チッ!」

葵は悠助を押し倒して、男の攻撃を木刀で受け止めた。その時α特有の甘い香りが悠助の鼻を抜けた。

「あぁ…っ!」

袴の袖をつかんで喘ぎが漏れるのを必死に耐える。

(此処で発情なんかしたら…)

悠助は葵の体を押して、その場から走った。



次回はR15つくかな?

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