表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

カルテNO.2 中村(武闘家)6/8

 6

「中村さん、どうもお疲れさまでした。これで汗を拭いてください」

 

 中村の4回目の診察を終え、医師は中村にフェイスタオルを渡しながら言った。


「やあ、どうも先生」

 

 ダンジョンでドラゴンの炎を浴び、瀕死の重傷を負った時の様子を振り返るセッションを終えた中村は、ぐったりした様子で医師からタオルを受けとりながら答えた。


「どうです、先生。あと2週間で、俺はダンジョンに潜れるようになりますかね」

 

 タイムリミットが迫り、中村は焦りを隠せずにいた。


「そのことなんですが、中村さん。治療を1段階進めてみようと思っているんですが……」


 医師の言葉を聞いて、中村はソファーから身を起こした。


「おう、先生。またダンジョンに潜るためなら、どんなことでもやってみせるぜ」

 

 勢い込む中村に、医師はまだ決断しかねる様子で「しかし、これはちょっと負担が大きいというか……」と、言葉を濁した。


「なんだよ、先生らしくもねえ。こちとらとっくに覚悟はできてるんだ。どんな治療でも受けるよ」

 

 中村の熱意に押され、医師は次回の診察日時を指定した。


   ※※※


「せ、先生。こいつは……」

 

 5回目の診察の日、約束の時間にシンオウメンタルクリニックを訪れた中村は、医師に導かれてクリニックの裏手にある空き地にやってきた。

 

 大抵のことには驚くまいと、十分心構えのできていた中村であったが、そこにそびえる巨大な鉄の檻と、その中にいる生物を見て絶句した。


「はい。ドラゴンです」

 

 診察室にいるときと変わらぬ冷静さで、医師が言ってのけた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ