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閑話:切り取られた世界で僕たちは2

 銀目は、ぱちくりと目を瞬いた。


「あら、人と人外の間にできた子じゃない。親はなにしてんのかしら……」


 何故ならば、幼子の正体を突き止めるのは時間がかかるだろうと思っていたのに、貸本屋へ到着するなり、ナナシがすぐに看破してしまったからだ。


「おお。やっぱナナシはすげえな。年の功って奴か?」

「はあ その余計なことしか言わない口を、今すぐ縫いつけてやろうかしら!」

「ワハハ。悪い悪い!」


 銀目がケラケラ笑うと、ナナシは振り上げていた拳を下ろした。


 このナナシという人物は、なにかあるとすぐに声を荒げるが、怒ることは滅多にない。

怒るのは、誰かが取り返しのつかないことをしそうになる時くらいで、銀目ですら、時々甘すぎるんじゃないかと思うほどだ。


 ――ナナシって口うるさいけど、いい奴だよなあ。


 小首を傾げ、ニィ、と笑んでナナシを見つめる。ナナシは呆れたように眉を八の字にすると、銀目の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。


「確認だけど、本当に親はいなかったのよね?」


 ナナシの視線の先には、あの幼子の姿があった。


 湯で薄めた粥を食べた幼子は、少しは体力が回復したようだ。特に愚図る様子はなく、自分を抱き上げている夏織をぼうっと見つめている。


「俺、ちゃんと確認したぜ! 親らしいのはいなかった」

「それならいいんだけど。動物に近いあやかしは、わが子に他人の臭いがつくのを嫌うからね。それだけで、育児放棄したりするし」

「……え?」


 瞬きひとつせずにナナシをじいと見つめる。そして次の瞬間、さあと青ざめた。


「うっっそだろ うわ、やっべ! どうしよう金目!」


 思わず、隣で話を聞いていた片割れに泣きつく。顔色を失っている銀目とは対照的に、金目は冷めた目で幼子を見つめている。


「銀目は馬鹿だな。アレにまともな親がいたなら、あんなに痩せ細ったりはしてないと思うよ? 肋骨が浮き出てる。しばらく碌な食事をしていないんじゃないかな」


 なるほどな、と銀目は頷いた。

 幼子を抱いた時に、銀目自身もあまりの軽さに驚いたのを思い出したのだ。


「そっか。そっかあ。はあ……」


 取り返しのつかない間違いを犯していなかったことに、心の底から安堵する。けれど、すぐに思い直す。幼子がこんなに痩せ細ってしまっていること自体が不幸なことだ。


「アイツの母ちゃん、どこに行ったんだろな……。今ごろ、捜してるかな」


 銀目が胸を痛めていると、隣から盛大なため息が聞こえた。視線をやると、どこか不貞腐れたような双子の片割れの姿がある。


「どうした? 金目」

「別に」


 プイ、と顔を逸らした金目を不思議に思う。

 声をかけようとして、足もとに柔らかな感触を覚えて意識が逸れた。


「だあ」


 それはあの幼子だ。夏織の腕から逃げ出してきた幼子は、二本の腕で這いつくばり、銀目の体によじ登ろうとしている。その幼気な姿を見た瞬間、じん、と胸の奥が熱くなって、堪らず抱き上げてやった。


「お前の名前はなんだ? 俺に教えてくれよ」

「う?」

「アハハ。言えねえか。ちっちゃいもんな、お前」


 おもむろに顔を近づけてみる。先日、隣家の赤子を抱かせてもらった時に、得も言われぬ甘い匂いがしたのを思い出したからだ。しかし、幼子から香ったのは濃厚な山の匂い。


 水と土と葉と……山に息づくあらゆる命の息吹が混じり合ったような匂いだった。


 それは銀目にとっては嗅ぎ慣れた匂いだ。卵の殻を割った時も、懸命に母を呼んだ時も、鞍馬山で暮らすようになった時もいつだってこの匂いが傍にあった。

 愛おしくも忌々しい。銀目を育んでくれた匂いそのもの。


「なんだお前。不思議な奴だなあ」


 幼子の胸の辺りで顔をグリグリする。すると、擽ったかったのかキャッキャと笑った。

 なんて小さな命だろうと思う。

 か弱く、すぐに消えてしまいそうな儚さがある。


「それでこれからどうすんだ、お前ら」


 その時、不機嫌そうな声を上げたのは貸本屋の店主である東雲だ。

 じとりと眇められた瞳からは「厄介ごとは勘弁してくれ」という空気がダダ漏れで、銀目は金目と目を合わせると、しょんぼりと肩を落とした。


「どうすればいいと思う? 連れて帰ってきたものの、正直わかんなくてよ」

「無責任な奴らだな。どうせ、俺たちに丸投げするつもりだったんだろう」

「わ~。速攻バレたよ。どうしよっか、銀目」

「え、俺はそんなつもりじゃ……。てか、人任せにするつもりだったのか、金目!」

「だって僕たちの手に負えるとは思えないし。銀目だってそう思うでしょ~?」

「……そりゃそうだけど」


 ニコニコ笑っている片割れの言葉に複雑な想いを抱く。


 自分よりもはるかに頭が切れる金目なら、親に置いて行かれた辛さは身に染みて理解しているだろうに、どうしてこんなにも淡泊なのだろう。


「なんだよ……」


 幼子を抱いたまま唇を尖らせる。

 銀目は、金目もこの幼子を助けてやりたいと思っているとばかり考えていた。

 しかし、どうもそれは違ったらしい。心配しているのは自分だけで、金目からすれば厄介ごと以外のなにものでもなかったようだ。


 ――金目らしいっちゃあ、らしいんだけどさ。


 じっと幼子を見つめる。濃緑の瞳をまん丸にして自分を見ている幼子は、まるで為す術もなく空を見上げて鳴いていたあの頃の自分のようだ。

 つきりと胸が痛み、銀目は苦しげに眉を寄せる。


「寂しいよな。辛いよな。母ちゃんに会いたいよな」


 銀目は幼子に小声で話しかけると、キッと決意の籠もった眼差しを皆に向けた。


「俺、コイツの親を捜してやりたい」

「そっか」


 一番に頷いてくれたのは、夏織だった。

 栗色の瞳を僅かに和らげて、優しげな眼差しを銀目に注ぐ。


 途端に、かあ、と顔が熱くなった。夏織のああいう顔を銀目は好ましく思うが、どうにも直視するのは照れくさい。むず痒さを感じて俯くと、ワシャワシャと頭を撫でられた。


 それはナナシで、口の端を吊り上げた彼は「仕方ない子ね」とやや呆れの交じった笑いを浮かべている。


「ま、捜してる間くらいは預かってやってもいいが」


 そこに続いたのは東雲だ。バリバリと頭を掻いて、煙管を吹かす。夏織は小さく噴き出すと「私の時みたいだねえ」と東雲に信頼の籠もった眼差しを向けた。


「お前ん時みたいに、引き取って育てる羽目にはならねえで欲しいがな。ウチには、もうひとり養う余裕なんてねえんだから」

「わかってるって」


 夏織がクスクス笑う。東雲は不本意そうでありながらも、どこか照れくさそうだ。


 ――やっぱいいなあ。


 本当の親子ではないのに、夏織と東雲の間には、確かな絆を感じる。

 銀目はふたりの関係に密かに憧れていた。


 親は子を守り、慈しみ、育む。子は親を信頼して身を寄せて、なにかあった時は支えてやる。夏織と東雲の関係はまさにそれだ。銀目からすれば眩しく思えて仕方がない。


 なにせそれは、自分には得られなかったものだからだ。銀目にはかけがえのない双子の片割れがいる。大切な友人だっている。でも――親はそうそう手に入るものではない。

 育ててくれた僧正坊というあやかしはいるが、かの大天狗は親ではなくて師匠だ。

 銀目は能天気な笑顔の下に、いつだって一抹の寂しさを抱えていた。


 ――だから、お前の母ちゃんも見つけてやらねえとな。


 腕の中の幼子をじっと見つめて、決意を新たにする。

 この幼子が本当に親に捨てられたのだとしても、なにか理由があるはずだ。

 原因を突き止めて、できればこの幼子に絆を取り戻してやりたい。

 銀目はそう考えていたし、皆もそう想ってくれているのだと信じて疑わなかった。


「え、なに。本気で言ってるの?」


 しかし、予想を裏切るように冷淡な声が響く。言葉を発したのは金目だ。

 信じられないという顔でそこにいた全員を見渡した金目は、忌々しそうに顔を歪める。


「子どもを捨てるような馬鹿を見つけ出してどうするわけ。それを押しつけるの? また捨てられるに決まってるじゃん」


 銀目ですら見たことのないほど冷たい顔をした金目は、次の瞬間には、どこか軽薄な笑みを浮かべ、茶化すように肩を竦めた。


「もしくは、ソレに親へ復讐させようってこと? ああ、それだったら賛成だけどね。自分を捨てた親への首を掻き切って、亡骸から血を啜ったらどんなにか美味だろう!」

「ばっ……! 馬鹿! なに言ってんだよ、金目! 本気か?」

「本気に決まってるだろ。現実を見なよ。ガリガリになるまで子を放置するような親に、碌なのがいるはずがない。なにを信じてる……いや、なにを信じたい(、、、、)のか知らないけど、そんなの自分が傷つくだけさ。やめときなよ」

「…………」


 黙ってしまった銀目に、金目は更に追い打ちをかけた。


「優しい夢を見たいのかも知れないけどさ、僕らを取り巻く世界はそんなに甘くない」

「なっ……!」


 ――そんなの、お前に言われなくても!


 反論しようと口を開きかける。しかし、どうにも感情が昂ぶり過ぎて、言葉が上手く出てこない。頭がグルグルする。腹の中で煮えくり返った激情を吐き出したいのに、相手が金目だと思うと上手く口にできない。


 でも、これだけは。

 これだけは譲れない……!


「俺……お前も賛成してくれるって思ってた」


 覚悟を決めて口を開く。自分の想い、考えを金目にはわかっていて欲しい。片割れの瞳をまっすぐ覗き込む。けれど、すぐに視線を逸らされてしまって泣きたくなった。


「いい加減になさい」


 すると、穏やかな声が割って入った。


 ふわりと花のような香りが鼻を擽って、筋肉質な腕が銀目の首に巻き付いた。

 見上げると、そこにあったのは憂いを帯びたナナシの顔だ。


「相手をよく知らないのに、そんな話をしたって意味がないわよ。なにはともあれ、この子の親を捜すことが先決だわ」

「そ……そうだね。私もそう思う」


 ナナシの提案に、すかさず夏織が乗っかった。


「冷静になって話そう? この子の将来が懸かってるの。ちゃんと考えてあげなくちゃ」


 将来。その言葉に、すうと熱が引いていく感覚がして、銀目は息を吐いた。


 ――そうだ。そうだった。俺が、しっかりしなくちゃ。


 銀目は、腕の中の幼子をぎゅうと抱きしめると、こくんと頷いた。


「うん。そうだよな。まずは親を見つけるところからだ。焦っちまったみたいだ。悪い」

「……銀目」


 金目が自分を呼んでいる。いつもの銀目なら、どうしようかと金目に意見を求めるところだ。それは双子の間の約束事。ふたりの意思決定権は金目にある。でも……今日は。

 銀目は敢えて金目には一瞥もくれずに、皆に向かって頭を下げた。


「俺、絶対にコイツの親を見つけてみせる。返すかどうか決めるのはそれからだ。コイツを最初に見つけたのは俺なんだ。きちんと責任は取るぜ」


 ナナシたちはお互いに視線を交わすと、頷いてくれた。


「ええ、任せておいて。思う存分やりなさい」

「その子の親、早く見つかったらいいね」

「チッ……まあ、仕方ねえな」

「…………」


 皆が快く引き受ける中、金目はひと言も発さずに黙りこくっている。


 隣から、肌がひりつくほどの視線を感じる。しかし銀目はそれに応えることなく、ニッといつもと同じ笑みを浮かべた。

 



 皆と相談して、幼子の親捜しは翌日からということになった。

 夕飯を食べて、銀目が風呂から上がると、金目はいつの間にか姿を消していた。


「金目……?」


 銀目はその日、久しぶりに片割れのいない夜を過ごすことになった。




 翌朝。銀目が貸本屋の二階の客間で目を覚ますと、未だ金目の姿はなかった。

 昨晩敷いて置いた金目の布団には使った形跡がない。

 どうやら帰ってきていないようだ。


「なんだよ……」


 やりきれない思いがこみ上げてきて、バリバリと頭を掻いていると、まだ眠っていたはずの水明がうっすらと目を開けた。


「喧嘩でもしたのか」

「…………」


 喧嘩。果たして、昨日のアレは喧嘩だったのだろうか。

 銀目にとっての喧嘩とは、酷い言葉をお互いにぶつけたり、殴り合ったりするものだ。

 ならば、アレは喧嘩のうちには入らない。


 ――ただ、俺が……金目を無視しただけで。

 ――でも! 最初に突っかかってきたのは金目だし!


 消化仕切れない感情がこみ上げてきて、銀目は堪らず頭を抱える。


「ぐわあ! 俺、どうすりゃいいんだ!」

「近所迷惑だ、黙れ」


 突然、大声を上げた銀目に、水明が冷静に突っ込む。しかし、銀目の頭はショート寸前で、その言葉は耳に入らない。


「すーいーめーいー! どうしよ!」


 横になっている水明に泣きつく。あまりよく眠れなかったのか、目の下に隈を作った水明は、不機嫌そうに銀目を払いのけた。


「重い。自分で考えろ……。なにもできない雛じゃあるまいし」


 ジロリと銀目を睨みつけると、去れと言わんばかりに手を振った。


「厄介ごとを持ち込んだのはお前だろう。まったく、金目の苦労が窺い知れるな」

「……うううっ! 冷た過ぎねえ? 水明、俺たち友だちだろ」

「いつ友だちになった、いつ」


 それだけ言うと、水明は頭から布団を被ってしまった。


「ちっとくらい優しくしてくれてもいいだろ……」


 ぽつんと呟く。その声に応えてくれる相手は誰もいない。


 ――俺って駄目だなあ。ほんとに駄目だ。なにしてんだろう。


 ややこしいことや難しいことは、今まで全部金目に任せっきりだったのだ。

 どうもそのツケが回ってきているようにしか思えない。


 ――でも、自分で責任取るって言っちまったし。


 ノロノロと布団を片付けると、身支度をすませる。

 朝食を食べ終えたら、早速、幼子の親捜しに出かけることにした。


 因みに、名前がないと不便だというので、幼子には「(あお)」と名付けた。


銀目が出かけている間、碧は夏織に預かってもらった。夏織は大喜びだ。なにせ、外出が制限されている彼女は暇を持て余している。


「銀目、行ってらっしゃい」

「あば~」


 碧を抱っこした夏織に見送られるのは、無性に気恥ずかしい。

 おう、なんて適当に返事をして、まるで逃げるように貸本屋を後にした。


 ――なんだこれえ。


 顔が熱い。夏織と碧の姿が脳裏に焼き付いて、ソワソワして落ち着かない。


「なあ、金目。どうして……」


 この得も言われぬ感情を片割れに訊ねようとするが、相手がいないことに気が付く。


「ぬう」


 銀目は苦虫を噛み潰したような顔になると、一路、碧を拾った場所を目指した。




 その日は風がなく、さあさあと霧のような雨が降り続いていた。


 碧が置き去りにされていた森の中はやけに静まりかえり、鳥や虫の声すらしない。

 蝉が鳴き始めるには時期尚早だというせいもあるだろうが、そこに満ちているのは雨音ばかりで、生き物の気配がまるでないように思えた。


 ――こないだ来た時は気づかなかったけど。なあんか、変な場所だな。


 辺りの様子を注意深く窺いながら、首を傾げる。烏がいたら情報をもらおうと思っていたのに、当てが外れて拍子抜けしてしまった。


「しゃあない。地道に探すか!」


 気合いを入れて木々の合間を縫って歩く。ぴしょん、ぽたん。水音だけが響く森の中はどこか寂しげで、ぐっしょり濡れた服の重みがやけに際立つ。


 やがて、視界に碧がいた巨木が入ってきた。

 他の木から比べると、二回りほど大きな木だ。じっと見上げると、あることに気が付く。


「これって、普通こんなにでかくなる種類の木じゃねえよな」


 銀目の記憶に間違いなければ、これはエゴノキと呼ばれていたはずだ。


 北海道から沖縄まで日本各地で見られる落葉樹で、普通は十メートルほどまでしか成長しない。特徴的なのは楕円形の果実。すり潰して水に入れると泡立つことから、過去には石鹸の代わりに使用されていた。実はエグく、毒性があり、食用には適していない。知らずに食べて、僧正坊にこっぴどく怒られたことがある。


「お前、苦しそうだなあ」


 ここにあるどの木よりも大きく育ったエゴノキは、半分枯れかけている。葉には斑点ができているし、虫に食われたのかあちこち欠けていた。枝先には虫こぶ。そろそろ花をつける時期であるはずなのに、蕾はあれど膨らみもしていない。複数の病気や害虫に苛まれているのは一目瞭然だった。恐らく、この木はそう長くない。


 銀目は木を労るように樹皮を撫でてやると、静かに語りかけた。


「こんなボロボロなのに、碧を守ってくれてたんだな。ありがとな」


 そして虚の中に入っていく。内部は薄暗く、空気はしっとりとしていた。

 慎重に痕跡を探す。碧の親がなんであれ、足跡くらいは残っているはずだ。しかし、碧が這いつくばったような跡はあるものの、他の生き物の痕跡は見つけられなかった。


「……ううん?」


 その代わりに見つけたのは、虚の天井から垂れ下がった蔓のようなものだ。

細長く、先端は不自然に柔らかい。触ってみると、微かに水分が染みだしてきた。

すん、と鼻を近づけて嗅いでみると、どことなく甘い。


「碧がしゃぶってたのかな」


 幼い子どもはなんでも口に入れたがるものだ。それを見つめて、また首を傾げた。なにか引っかかりを覚えるが考えが纏まらない。


 仕舞いには、その場に寝転んでしまった。

薄暗い虚の中、濃厚な木の匂いを胸いっぱいに吸い込み、おもむろに呟く。


「金目、なにしてっかな……」


 思い出すのは、いつだって隣にいた片割れのこと。

 ゆっくりと目を瞑る。静かな雨音が銀目の鼓膜を震わせている。

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