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精霊の使い  作者: 西瓜
2/13

プロローグ 悪夢からの目覚め

初めて小説を書きます。

自分の考えた物語で少しでも楽しんでいただければと思います。

 私は自分の行動について考えた事がなかった。

 それが当たり前だと思っていた。

 ただ言われた通りに任務を遂行するだけ。


 でも、なぜこんなに酷く胸が痛いのか。

 どうしてこんなにも涙が溢れてくるのか。


「やり直したい……全ては無理かもしれないが……私は罪を償わなければならない……!」


 顔をぐしゃぐしゃに歪ませながらも私は歩き続け目的地へと辿り着いた。


「アウグーリオの泉」


 その泉の水に浸かることで人の願いを叶える程の力があるといわれる泉で風の精霊の社とも言われる場所だ。


 私は嗚咽をこらえ、咳き込みながらそのまま泉の中へ入り身体を清めようとした。


 浅かったように思えた泉はまるで生きているかのように底が深くなっていき、私は得体の知れない細長い物によって引きずり込まれていった。


 人形は静かな闇の底へと沈んでいった。

 ――――――――――――――――――――――


 気が付くと泉の前に横たわっていた。


 泉に引きずり込まれた後どうなったのか全く覚えていない。


 私は不思議と身体が軽いことに気がつく、そして背中に電流が走るような感触を感じ取り立ち上がる。


「これは風……? しかもどんどん強くなっている……」


 最初に感じたのは神秘的な異質な気配だった、しかしその感触はすぐに消え今はただ強風が彼女の身体を吹き付けていた。


「お目覚めのようね〜人形さん」


 頭上で透き通った心地よい声がした。


 見上げてみるとそこには碧色のワンピースだけを身につけ、宙に浮かんでいる女性がいる。


 私はこの異常な強風はその女性から発生しているように感じた。


 おそらく彼女が─


「風の精霊様のご登場ですよ〜! 頭が高いぞ〜無礼者〜〜!」


 私の心を読んでいるかのように自己紹介。


 ふざけたような話し方だが、その体の奥底から感じ取れる力は私を畏怖させるものがあった。


「あれあれー? 話しやすい雰囲気のはずなのに黙ってしまったわ!? 自信あったのに〜……」


 清らかな声と砕けた感じから好感は湧くが先程、精霊が発した一言が私には引っ掛かった。


「人形てのはどういうことだ?」


 私が真剣に問いかけると、精霊は意地の悪そうな笑みを浮かべ、泉に向かって人差し指をスっと動かした。


 すると、無数の細木の枝で構成された巨人のような手が浮き上がり、その掌の中には赤黒い塊が風の力に封じ込められているように見える。


「君はこの呪いとも言えるようなものを長い間、その身に宿していた。この呪いによって君は時に助けられ、時に苦しめられたのだろうね」


「こ、こんなものが私の中に……?」


「そうね、君の皮膚、肉、内蔵とあらゆるところに、そして魂までにね」


「もし、これを取り除いて封じ込めなかったら破壊を好むだけの恐ろしい人形、つまりこの塊の手足となって動く魔人が誕生てワケよ」


「流石にこれほどの強大な力はあたしの泉でも浄化するまでには至らなかったの。一応、封じ込めてはいるけどその為にあたしは力のほとんどをこの塊に割かなければいけないのよ。」


 私は自分の中にこんな生き物の怨念のような、禍々しい塊があったことへの憎悪感で精霊の話など聞いてはいられなかった。


 しかし、憎悪感しか感じないはずのその塊の赤みから私は目を離すことができなく、突如、目の前が紅一色に塗りつぶされたと認識したと同時に私は五感の全てが奪われているような感触を味わった。


精霊の気配が近づいてくるのを感じながら私の意識はそこで途絶えた。


しばらくは週に1.2回のペースで投稿して行きたいと思います。


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