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第1話

初投稿です。

(ここは何処だ)


気がつくと伊藤佐紀は暗い空間の中に浮かんでいた。周りには見渡す限り何も無く誰もいない。音も光も無い空間を自分の意識だけがただよっている様な感覚だった。


(どうなってるんだ)


そんなことを思っていると目の前にいきなり、人の良さそうな白髪の老人が現れた。

その事にびっくりしていると、白髪の老人が話し始めた。


「すまなかったの。呼びつけたのに待たせてしまって。」


そう言って白髪の老人は頭を下げた。佐紀は何がなんだか分からなく質問しようとするが、声が出ない。


「おお、すまない。今、声を出せるようにする。」


そう言うと老人の手から光が佐紀に向かって放たれた。その途端、身体に口の感覚が出来たような気がして喋ってみると簡単に声は出た。


「ああ〜あー、おお、声が出る」


「うむ、これでゆっくり話ができるの。」


無事に声も出る様になったので佐紀は聞きたかったことを聞いてみることにした。


「ここは何処で僕はどうなったんですか」


「まず一つ目の質問じゃがここは天界じゃよ。正確には天界の中の神の領域と言った所じゃな」


「神の領域ということは貴方は神様なんですか?」


「うむ、儂は神様じゃ。もっとも君の世界で言う所の神様ほど何でも出来るという訳でもないがの」


「そうですか…」


「あまり驚かんのだね」


「いや、これでも結構驚いているんですけどね」


「まあ、それはいいとして二つ目の質問についてだが、君は死んでしまったんじゃ」


「はい?」


「受け止められない気持ちはわかる。だが事実なのじゃ」


神様は僕に向かってまた光を放ってきた。その瞬間、僕の頭の中にある映像が浮かんできた。映像には僕が映っていた。僕が猫を助けて車に轢かれるシーンも。


「なるほど…分かりました。僕は車に轢かれて死んでしまったのですね」


「うむ、残念ながらそういうことになる」


自分の状況は分かった。しかしまだ疑問に思っていたことがあるので聞いてみることにした。


「どうして、僕はここに呼ばれたんですか。まさか死んだ人全てとこうやって話をしているんですか?」


「まさか、とてもそんな時間は無いよ。ここに君を呼んだのは君が猫を助けたからじゃの」


「猫を助けたから?」


「そうじゃ、たまたま君の世界を覗いていたら君のことが見えての。そんなことをした人間に何の得もないばかりか、死んでしまってはあまりに可哀想だと思って生まれ変わるチャンスをあげようと思ったのじゃよ」


「生まれ変わるですか?それって転生って事ですか?」


「その通りじゃよ。今ならなんと転生特典もサービスで付けよう」


「はあ、ありがとうございます…」


「あまり、嬉しくなさそうじゃな。転生は嫌かい?」


「いやそういうわけではないんですけど、いまいち実感が湧かないっていうか」


「そうか。まあゆっくり落ち着いていくと良い。転生特典を何にするか決めておくのもいいしな」


「はい、分かりました。ありがとうございます」


そう言ってまずは落ち着く所から始めるのだった。

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