恐嬉
調子に乗るな 調子に乗るな 調子に乗るな
かっかっか。
いつもは聞こえる独特の階段の軋音も今日は聞こえない。
ここから踏み出すのは怖い。けど嬉しかった。
阿古さん。自分をもっと表現していいのですよ。
昔からこう言われ続けてきた。
どうして怖くないの。自分の言動が誰かを傷つけるかもしれないよ。
自分とは違うからってからかわれるかもしれない。
もしかしたら私の言動が法に触発してそのせいで何もかも壊れて、家族とか友達とかとにかく周りの人が
苦しむかもしれない。
私はずっとこう思ってきた。
周り、とりわけ自分がぶっ壊れる気がした。
壊れる_。壊れる_。壊れる_。
新聞の投稿欄に阿古の文字が載っている。阿古の文が載っている。
ここだけが浮いている様な気がした。
怖かった。
今日の挑戦は終わり。ただ読むだけ5分で終わる挑戦。前の挑戦、恐怖を思い出すだけの挑戦。
今日も自分を嫌いにならないで済んだ。おやすみ。
__。ガタンッ。
まだ終わっていなかった。今日付けの新聞には阿古の投稿の内容についての他の読者からの意見が載っていた。
反応だ。
嬉しくもあり、怖くもある。
阿古はまた鉛筆を取り、なんとも言えない己を吐き出した。
その文章は浮ついてるかもしれない。方向性が定まっていないかもしれない。
震えが滲み出ているかもしれない。はたまた覚醒しているかもしれない。
しかし阿古はポストへ向かった。
かっかっか。という音と共に。
なんとも言えない気分で書きました。




