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ユトリはない

 幸いにして夕方まで作業しても疲労は有ってもそこまでって感じで思ったよりは回復できていたらしい、まぁ作業進捗としては予想から外れずに三割程度だがまぁ上々だろう、とりあえず今日の所は十分だな。

 まだ明日という日も有るし明後日も有る、焦る事は無いし残る作業も少ないからな、終わりがすぐそこなのに焦りも喜びも無いのは不思議な感覚だが焦燥感や極端な喜びに浸るにはまだ早い、おそらく現実味として受け入れるのは船で揺られてからか家に着いてからか、もしかしたら明日辺りに押し寄せて来るかもだが今それを考えても仕方がない、来たとしても粛々と何時もの様に過ごすだけだしな。

残念な事に喜ぼうと焦ろうと漁をしないと腹は膨らまないし勝手に全てが片付くなんて事もない、むしろそういうのは邪魔ではないがミスを誘発する物でしかない、極端な浮き沈みは反動も含めて悪い訳ではないがヨロシクもない、常に一定というのは難しいが目指していきたい境地の一つだろう。


 夕飯を終えて少しばかり入念なストレッチとマッサージを終えて後は寝るだけだな、明日にはかつての本拠地もほぼ片付いてロープとか竹が転がるだけの拓けた場所に早変わりだ、開拓に半年とか余裕だったのに壊すのは1週間とかか、恐ろしいくらいに差があるな。

 物を作る者の末席よりは中央に近いと思うが汚している身としては口惜しいがそれを呑み込まないとかね、1000年掛けた成果だろうと壊すとなれば1年と掛からない事実を理解してそれでも作る、そのくらいの気概が無いとダメなのかもしれない。



 やや体は重いが昨日よりはマシだな、とりあえず動きに支障は無いし明日は完全休暇だ、問題無いだろう。

 と言うかまた新月を忘れているな、忙しさと意識が片付けと帰還に向いていて失念だ、心の余裕がとか思った記憶がハッキリと在るのだが間違いなく無いと断言できるな。

星を見上げる余裕も無いのにユトリなんぞ持てている筈がない、唯一と言うと寂しいが楽しみを忘れるって相当だぞ、少なくとも平常時ならばあり得ない。


 漁を済ませてやや軋みの残る体を叱咤して片付けだ、明日にでも温泉休暇だがギリギリもう2日は耐えられそうなくらいには回復しているが一気に万全に近いくらいには持っていきたい、後は気力だけだが幸いにして気力だけは万全でやる気も有る。

 とりあえずは着々と片付けを済ませるだけだ、布の壁を解体と呼ぶのか破ると呼ぶのか切ると呼ぶのか、答えは出ない。

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