解体作業
朝の漁を済ませてとりあえず作業に向かう、疲れていてもこれだけは変わらないと言うか休暇だなんだと言いつつも漁だけは欠かせないんだよな。
焼き干しとご飯が有るとは言え欠かせばジリ貧になるだけだ、まぁ連日でないならば可能と言えば可能だがそこまで疲労困憊でヘトヘトではないしな、まぁ指一本動かすのが無理ってくらいに疲れる事って昔工事現場のバイトした後か、翌日も疲労が残ったが多少は動けたし朝に限れば疲労困憊ってのは経験が無い。
気力を全て使い果たすくらいの難事に今まで出会わなかったのが幸運なのか不運なのか、まぁ少なくともこの生活だとそれを覚悟しないとだったのに一度も無かったのは不思議だ、まぁ幸運が働いてくれていたのかね。
薪の干場を手早く解体する訳だがとりあえず屋根を落として壁を外して柱をか、側溝はまぁ放置しても土に戻りそうだが微生物とか虫とかでになると年単位かね、まぁ土の上に在るならまだしも半ば埋もれているし数年で朽ちると思う、後は白蟻とか居るなら……いや、白蟻って竹食うのかね? 木なら物凄い勢いで食べ進むが。
ロープを切って解き手早く屋根を外す、手慣れた動きだがやはり作るより壊す方が早いよな、材料集めも有るから屋根だけで数日掛かるのに壊すとなれば数時間だ、全て解体するのに1日と半も有れば余裕だが作るとなれば半月から一月くらいか、工程が逆になる訳ではないが諸行無常と言うかどれだけ苦心して作ろうと壊すとなればその苦心した時間の何十何百分の一で済むのは物悲しさが有るな。
それこそ歴史有るとか曰く付きとか関係なくダイナマイトとか使えば大抵の物は一瞬でぶっ壊せるからな、本当に作るより壊す方が楽なのは何故なのか。
手早く解体を進めて行くが楽だな、あの固まった粘土やらと格闘するのに比べればこのくらいはなんて事はないと感じてしまう、感覚が完全に麻痺っているが順番が逆だったなら大変だったかもな。
疲労レベルが違うから肉体よりも精神が先に参りそうだ、そういう意味ではテキトーに決めたとは言え計画が上手く嵌まったな、残りはロープ切ってればほぼ終わるからな辛い事を先に済ませてってのは嫌いな物を先に食う的な考えだが間違ってはいないらしい。
昼飯を終えて壁も大まかにだが外れて後は屋台骨ではないが壁が少しと柱と梁か、一気に崩してしまいたいが壁と梁は楽だが柱は穴を掘って抜くか根本を切ってしまうか、土の微生物に任せて根本を切って時間を短縮するかね。ロープを切って竹を外してを繰り返しているがかなりの量になるな、まぁ竹林に近いし運ぶのは楽だったから手間でも無かったがよくもまぁこれだけとは思う。




