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撤去作業

 昼メシ挟んで旧拠点に戻り警戒網の撤去だ、安全が少しずつ削れていく訳だがここはもう使わないしな、いや昼飯に使うかもだが滞在は極短い、まぁゴリラや熊と鉢合わせしたら悔やむだけだし悔やむ事すらできないかもだが。

 まぁスマイリーに関しては危険が無いような気もするが、これも慣れてはいけないと心に刻んだ筈なんだが薄れる所か消え去ってしまい初めから存在しなかったが如く煙と消えている。

本当に慣れと言うのは良し悪しだな、良きにしろ悪きにしろ慣れれば感覚は麻痺するし気付いた頃には天変地異でも日常化してしまう、例えば毎日地震だとか落雷がある地域に住めばそれが平穏で当たり前にしか感じない、慣れるというのは良いも悪いも慣れてしまえるし良くも悪くも転んでくる。


 しかし仕方がないとは言え温泉でサッパリしてもすぐにまた疲れと汗か、寝る前に一浴びと言うのは絶対に無理だからな、拠点を移せばその限りではないがあの辺りに良さそうな漁場も無いしスペースも無いしな、テントを張るスペースを作ろうと思えば木を斬り倒して切り株を掘り起こして、そして穴を埋めて。

 そんな苦労をして得られるのが温泉か、余りに小さいな、困った事にそれを悪くないと思ってしまう自分が本当に情けない、しかしやはり今さらだ、もう残りが10日と少し、開拓すら間に合わない、おそらく切り株を二つ取り除けばタイムリミットでその程度のスペースでは無意味だ、テントを一つすら厳しく苦労の果ては使う前に終わるという徒労以下だな。


 ひたすらチマチマと少しずつ進んではロープと格闘して、よくもこれだけ作ったと思うが必然的だったからな、熊やらと一緒に暮らすのに対策しないとか慣れにしても凄まじいと言うか普通の家ならばまだそれでも良いのかもだがテントだからな、思い付く最大限で対策しないと扉を破るなんぞ容易い。

 それこそ壁とか天井とかぶち破るのも簡単であくまでも仮の宿でしかない、寝るには十分だし強度もそれなりに有るが道具なしでも壊せる程度には脆い、相手が熊って事を加味するとティッシュペーパーと同等レベルだな。

値段的にそこそこの物を選びはしたがナイフで簡単にズタズタだろうし熊の爪はナイフの様に鋭い、鉄よりは柔らかいだろうが人間の物よりは固いし熱したナイフでバターを切るようにだろう、それが簡単だと容易く想像できて可能性が高いのならば防ぐ手を打たないと言うのは余りにも愚かとしか言いようがない。例えば明日にでも立ち去るというのならば寝ずの番で火を絶やさずにとかで良いが半年とかそれ以上は離れられない事情が有ったしな、まぁ拠点としては最高だったからな、漁場にそれなりに近く水場が在りしかも水量も多いある程度拓けていてと条件は最高に近いんだよな。

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