崩れず
とりあえず朝の一連を済ませる、場所が変わろうともルーティンは崩れずだ、と言うか崩すと食事にありつけるかは不明だしな、せいぜいが潮のタイミング見つつ先に所用を済まそうとか、逆にストレッチを早めに切り上げようとか、その程度で基本的に同じ事の繰り返しだ。
雨が降りでもしない限りは毎日を繰り返すしかなく内容に若干の違いはあれど大きな差異はない、ある意味では幸福なのかもだが退屈はする、暇と退屈は人を殺すに足る力を持っているのは重々承知で、そしてそれを感じないように毎回毎回気合いを入れ直して真剣に漁に向かわないといけないと思ってはいても慣れが邪魔をしている。
危険を百も千も承知でこれなのだから慣れは本当に恐ろしい、気付けばながら作業と言うか流れ作業と言うか、全く気負いもなく動いている、それは悪い事というばかりではないのだが病院もないような場所という前提に立てば間違いなく悪い、しかしだからと簡単には切り替えられない、俺がアホだからかそれとも体や心に馴染んだからか、できれば後者で願いたい。
汗と汚れと疲れを流してかなりサッパリだ、体が軽い気しかしない、まぁ今回はそれほど疲れが貯まっている訳ではなかったし明日の朝には全快に近いだろう。
腰とか肩とかも軽く少しばかり若返ったとかは空しくなる、と言うか老け込むような年ではない、23ならば若者も若者、社会人としては新人で若気の至りが許される年齢だろう、まぁ小学生とかから見たら大人なのだろうが。
これで動きが加速するならばと思うが肉体的な限界も有るからな、今の俺のキャパシティだと回復したとしても大きな差異はない。
動きが軽くなるのは何をするにしても良い方向に響く、少なくとも悪くはならないし枷から解き放たれるような感覚は荷物や泥や鎖で酷く重かった体から泥や鎖や荷物が無くなったかのようで首輪を外された犬でももう少し重いと思う。
たぶん最初は『好きに動いていいの?』って不安だろうし飼い主の側を離れないかもだ、二度目三度目ならば好きに走り回りそうだ、犬を飼った事は無いし我が家だと広い庭で好き勝手に動けるが、不思議と動物を飼いたいと思った事はない、生まれた時から居たコイが例外かね? まぁ奴等の住む池に相当に泣かされて結果的に祖父がコイを全て売り払い埋め立てたが。
あれはスカッとしたな、地味に蚊は増えるし掃除大変だしで、特に蚊はクソだコイもボウフラ食えよと思うがどうやら食いきれないか上手く隠れてる奴が居るらしく増える増える、水草とかも鬱陶しいしで庭に池とか憧れると思ってる奴が居たら小さいのにしておけと、でかいのが良いならば枯れ山水とかにしろと言ってやりたい。




