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趣味の延長

 細木とはいえ、俺の太股よりは太いし斬り倒すは大変だ。

 とりあえず根本に切れ込みを入れ、反対側から一気に斧を振り込み斬り倒す、受け口と追い口、樹木伐採の基本となる。

裏山の一部だけとは言え管理は良くやっていたからな、業者に頼むと高いし、まぁ高いとは言え払えない額ではなかったから祖母の趣味の延長として知識を覚えて技術を会得した。


 今の俺にとっては良く使うスキルの一つだ、木を斬り倒す場合、最も危険なのは体に斧が当たるのと倒れた木に押し倒されるの二つ、受け口と追い口の技術は倒れる方向をある程度限定できるためこれだけで怪我の確率は約半分になる、まぁ半分になったところでイレギュラーは発生するし何時かは怪我もする。

 ミスなく怪我なく1年過ごすなんて不可能だ、少なくとも俺は1日だって過ごせない、何かしらの凡ミスを何処かのタイミングでやらかしている。


 何本か木を斬り倒し、慎重に吟味して倒す方向をコントロールした事で、多少は邪魔だが生えていた時よりは邪魔にならない位置に転がっている。

 さぁそろそろ夕食のオカズを捕りに行くとしようか、今日は定期報告の日だしな、別に豪華な夕食はいらないが少なくとも空腹で祖父の相手はしたくない。

丘を下って磯まで歩き、大量の海水を掻き出して魚を捕らえる、しかし来る日も来る日も新しい魚が居るとは、どんな人気物件だ。地形的に隠れやすいだろうが少し大型の魚が紛れ込むだけでレストランに早変わりだし、海鳥からしたらビュッフェみたいな物だ。

 まぁ俺も恩恵に預かっているし、余り言いたくはないし、言った所で魚達に伝わる筈もないのだが。


 乾かしておいた薪を集め、その中でも使えそうな奴を多目にピックアップし、さらに細かく裂いて準備を済ます。

 ここまでやって火が着かないならもう諦めるしかないが、一発目で成功、やはり干しておいて正解だったな。

比較的乾いた薪を順次入れて火を維持しつつ串うちした魚を焼く、ついでにタンポポのお浸しも用意しつつ、完成を待つ間は焼き干しでも炙って楽しもう。


 満腹になった所で色々と準備を済ます、歯磨きと髭剃りとか後は洗濯物を取り込んだりだな。

 べつに身綺麗にした所で電話だから相手に伝わらないし、そもそも伸びっぱなしの髪は島に来る前に散髪して短くしておいたため目立たないが、それでもけっこうボサボサだ、洗髪とかマジでたまにだからな。

伝える事を脳内で纏め、気合いを入れ直して衛星電話を取り出して一番をコールした。

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