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ノア

 こうしてシェルターへの道を連日歩いていると前に拠点を移した時の事を思い出すな、あれから半年以上早いのか遅いのか謎だな。

 まぁ経過は謎でも終わった事だ、結果だけ見ていくとしよう、見たく無いものは見ないという現実逃避の一種だが困った事にそれで困らない、悩みがないのが悩みみたいな話になってくるが、まぁ残りはほんの数日、そんな物に目を向けても仕方がない。

無駄は極力排除だ、心の余裕が多少は有るとは言え変に頭を悩ませる事も無いだろう。


 何より面倒なだけだ、エネルギーの消費をするだけなのを看過はできないしな。

 少しずつシェルターに荷物を置いているとこれが仮の宿なのか物置小屋なのか解らなくなるな、と言うかこれで寝たのって一回か二回くらいじゃなかったか? あれだけ苦労して対効果が尋常じゃないくらいに悪いな、それでもこれが無いとダメだった様な気がするしな。

まぁその辺りは仕方がない、この生活だと掛けた手間と効果の吊り合わなさは当然の事でしかないからな、今さら嘆いても結果は変わらずだ、それに必要だったと嘯くくらいは許されるだろう、自分を誤魔化すのは嫌になるが慣れているしな。


 拠点に戻り少し早い昼食を挟んで干場の解体だ、作るより壊す方が簡単だからな、数日掛けて作っても今晩までには跡形も無くってのは無理でも大方は壊せる。

 まぁ基本は急に崩れない様に気を付けてロープを解き、後は竹を割るだけだ。

屋根を落とし手早く柱を抜いていく、穴を一度掘らないとだからまた穴堀りかとゲンナリするが土に触れる時間がまた増えるだけだ、まぁ抜かなくても良いのかもだがなんとなく地面に置いていた方が朽ちるのが早い様な気がする、穴掘って埋めての方がさらに早いとは思うがそこまでの手間を掛ける必要は無いだろう。


 俺の痕跡を全て消そうなんて土台無理だしな、そもそも自然保護に目覚めているならばここに足を踏み入れなんてしない、数十年も放置された原生林だからな、一歩踏み入れるのもアウトだろう。

 まぁ熊とか鹿とか狸とか持ち込んでなければ居る筈が無いのが居る時点でだが、スマイリーに関しては自力かは不明だが流れ着いたからまぁギリギリ自然とするにしてもマレー熊とか一番近い生息地まで何百キロも海を隔てている、海流に乗るにしても無理があるし鹿と狸もまぁ同じくだろう、他の島を経由したにしてもやはり相当に遠いからな、自力ってのは現実的ではない。

狸ならばギリギリ板か何かに乗ってというパターンも有るが海流考えると沖縄とかから出発でだ、少なくともこの島より西側からでないと黒潮の関係上流れに逆らわないと辿り抜けない、狸や鹿がヨットの操船が可能とかなら、或いは時代を越えてノアの方舟でも流れ着いているのならば話は別だが百パーセント誰かが意図して持ってきている。

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