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初手王手

 夕飯を終えて先ずは片付けと明日の準備だな、一手一手着実に駒を進めないと初手で王手なんてイカサマでもない限りは不可能だろう、と言うか初手で王手しても金が防ぐから一手損の駒損、金が動いて若干戦局は動くかもだがそこから囲いを組めば良いのだし受け手側にとっては『最悪手をどうもありがとう』って感じになる。

 イカサマを最善手にするには入念に準備してからだろう、初手から動けばバレバレだし対応が楽だが混戦乱戦の終盤だとプロならともかく気付かれにくいし対応も難しい、そもそもイカサマ有りきで誘導して戦えるなら最初から潰しに行った方が早いしな。

必要な手間が同じならばクリーンに買った方が後腐れが無いしリスクも少ない、命懸けとか後が無いとかで一世一代と言うならば万難を排するためにダーティな手も用意して当然と言うか、あらゆる手段を用いれば良いがそうでないのに相手に恨まれるリスクは対価が大きい。


 「もしもし健太です」

数回のコール音の後に相手を確認しないでとりあえず挨拶からだ、最後の報告だし本命は先輩、対抗爺さん、大穴昇って所かね、とりあえず全てがは高望みとして半分くらいは丸く上手く収まってくれていたならば御の字かね。


 「やぁやぁ私だよ」

 やぁやぁのやの時点で解った、声とかじゃない、電話越しでも感じられる空気感が先輩のソレだ、本当に神経逆撫でしたりイラつかせたりする事に関しては天下一でその癖俺が怒らないギリギリを攻めてきやがる、上手い具合に恩着せがましくではなく大恩を着せて主導権握ってこれだから始末に終えない。

天才と変態が併せ持つとそこに悪魔的なまでの関係把握能力が加わって純度の高いド変態が生まれるって謎の公式だよな、天才とか凡才とか器量がどうとか、或いは和差積商のどれを使っても変態というだけで答えが変態になる、ダヴィンチやアインシュタインもビックリの公式だな。


 「うん、とりあえずスピーカーに切り替えてるとして元気だ、墨巣さん共々代わりない、そっちの具合と、後は来月11日の帰還の流れが知りたい」

 通話と同時にスピーカーに切り替えるのは墨巣さんが流れ着いてから徹底する様になった電話の一連の動きで情報共有を円滑に進めるために必須だろう、そして先輩は変態だが天才でも有る、挨拶もそこそこって事は居間か何処かに集まって待っていて受話器を手に取るのと同時にスピーカーに変えている筈だろう。

その上でふざけた挨拶をスルー安定だ、無視しても喜ぶ変態だが相手にした方がもっと喜ぶ、ならばどうして俺がわざわざ先輩の性癖を刺激する必要がある? そんな物は一切必要無い、多少は相手をしないと後が怖いがこの程度ならまだ許容範囲だろうと経験が言っている。

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