きっちり対応
二抱えを超える量の細い枝を並べとりあえずはこれで良い、後は定期的に上下を入れ替えれば表面は乾くし、全てが全て芯まで水を吸ったという訳でもないだろうし、焚き付け分くらいは確保できる筈だ。
とりあえずは放置として旧拠点に向かうとしよう、まだまだ積まれた薪は当たり前だが若干の湿り気を見せている、これを運ぶのは嫌だな、服が濡れるし汚れてしまう、シャツはすでに汚れていて昼飯前にでも洗濯するつもりではあるが、しかしあまり良い気分ではない。
かと言ってやらない訳にもいかないし、とりあえず昼までは我慢しよう。
何度か往復してシャツはもうドロドロだ、昼飯前に洗濯にいこう。
洗濯用の洗剤と替えのシャツと土鍋を持ち川に向かう、とりあえずシャツを脱いで川でジャブジャブ流すが泥の汚れはそう簡単には落ちない。
洗剤を汚れの酷い場所に伸ばしとりあえず手近で綺麗な岩にシャツを乗せてしばらく放置する。
汚れが溶け落ちるのを待つ間に替えのシャツを着込み、次の準備のために土鍋を洗い水を貯めておく、一度拠点に戻り土鍋を置いてからまた川に向かい、シャツをもみ洗いして汚れを落としてしまう。
軽く濯いで、また揉み込んで残った洗剤の力を最大限に生かし、粗方の汚れが取れたところでキッチリと洗剤を落とすべく川で濯ぐ。
自然に優しいという触れ込みの代わりに洗剤としての能力は弱いらしく何より漂白効果もない洗剤では多少の染みとして泥と土の色が残ったな。
まぁこれはこれでデザインの一部と前向きに考えよう。
さて、とりあえず焼き干しを食べながら休憩にする、なんと言うか炙ってないから香りやなんかが薄い感じがする、食事というよりオヤツでも食べてる感じだ。
食事を終えて、荷物を抱えて池に向かう、川の水量や透明度が変わって無かったから予想はできていたが、雨が降った後だというのに全く様子が変わっていない。
まぁ今は池に用はない、有るのは池の周辺に咲くタンポポだ。
群生地とは言え残念ながらタンポポの量には限りがある、これはツル紫にも言える事だが採れる量の限界はせいぜいが四食分くらいだろう。
それも全て根こそぎ行ってで、山菜採りのセオリーからは外れる、少なくとも数本は残さないと来年採れなくなるしな、まぁ来年の今ごろは実家かもしくは新たに借りたアパートに住んでいるのだが、せっかくこんな辺境に咲いているのだ、残してあげたい。
とりあえずタンポポを数本、収穫しスコップ代わりのフライパンで回りの土を掘り返して根を取り出した。
五本分の根を池で洗って土を落として拠点に持ち帰る、今晩は火が使えたなら魚の塩焼きとタンポポのお浸しになる、根は処理に時間が掛かるからまた次の機会になるが、明日か明後日には楽しめる。




