聞きたくない
一夜明けて今日も天気は良好だ、このまま春の陽気と共に維持して欲しいがお天道様のなさりようは人間にはどうしようもなくだ、とりあえずは今日を越えられそうで何よりだ、罠を編むとして残りは今日を入れて5日か? だとすると作れて6か7くらい、壊れなければかなりの余裕になってくれるが流石に無理か、ストックとしては4つくらい増えれば御の字かね、まぁ引っ越しやらの空き時間にも編むならもう少し伸ばせるがその辺りは先にならないと不透明だ、大まかな流れは頭の中に有るがその通りに行く筈もない。
予定なんてのは基本的に外れるし外れても問題ない時間配分が本当の意味で予定と言える、イレギュラーがたった一つで間に合わないならばそれは見通しが甘いとしか言えない、極論を言うならば事前に下調べをして予行演習さえするくらいが理想だろう、まぁそんな時間を作る暇は大抵の場合無いが、それでも例えばデートの前に店を予約したり定休日調べたり最寄り駅に快速止まるか調べるくらいは誰だってすると思う、それを突き詰めていくだけで後は上手く行くのを願うと言うのがやや業腹な部分だな。
まぁ全て入念に調べて予行演習までとなると真新しさは犠牲になるのだが、と言うかそもそもデートの例えだと相手次第で相当に動く、望とかだとちょっとした小物を見たまま半時とか平気だからな、奴と遊びに行く場合は待ち合わせ場所と時間、目的地だけで後はなるようになれだ、シャツ一枚買うのに2時間とかザラだからな完璧な予定を建ててもドンドン崩されるだけだ、馴らされたせいで今はなんとも思わないしむしろ面白いと思えるのだが当初は『マジかコイツ』『どれだけ時間使えば気が済むんだ』とかイラだっていたような記憶が有る、4年も時間を共にすると良くも悪くも互いに変わるのだろう。影響しあうと言った方が順当か、古くからの友である昇の言葉を借りるなら俺は大学の4年で鷹揚と言うかやや大雑把になったらしい、その次に古い鶴子によれば解りにくくなったらしく望には聞いた覚えはなくだ、この島での1年で俺はどう変わったのか聞きたいような気もするが聞きたくない気持ちも有る、まぁ聞かずとも言ってくるだろうがはてさてなんと言ってくるのかね。
竹をチマチマと編みつつ思考は好き勝手に動き回る、まるで飛び回るハエの如くだが今更だな、と言うか今年はハエをほぼ見ていない、やはり虫が少ないのかね? 居ないとは思わないが今年は去年の夏は蚊の記憶もない、そこだけは良かったと思えるが暑さの凌げなかったから収支はゼロかね。




