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何時もの光景

 のんびりと拠点に戻る途中で森の奥に消えるスマイリーの背中を見たがもはや驚きすらしない事に愕然とする、あれだけ慣れてはいけないと戒めておいて物凄く慣れてしまっている、普通は森で去り行くゴリラの後ろ姿とか見たら狼狽するし腰を抜かすかあんぐりと口を開けるかだ、なのに『あぁ、はいはいスマイリーね』って感じで千回くらい見た映画のワンシーンの方がまだ感動が有るくらいに流している。

 かなり久々に姿を見たが御近所ゴリラとして日常に取り入れられてきているのかね? 多少の恐怖は有るのだが昔出会った時程には感じていないのも確かだ、どうにも感覚を鈍らされているらしく慣れの果ては日常か、困った事に酒とか飲めそうなくらいに馴染んでいる。

まぁゴリラが酒を飲むイメージはないが、バナナとかで作った酒ならなんとかなるのかね? そんな物が有るのかは不明だが、まぁ果実酒と言うか浸けて1日で風味は出るかね、しかしどうだろうか、同じ霊長類だし酒も多少はイケそうだが人間と同じく個体差は有るだろう、強い弱いに好き嫌い、彼はさてどのパターンかね。


 去り行くシルバーバックは森の遥か奥、きっと山でも目指しているのかね、しかし奴の縄張りは一体何処に有るのかね、特定の縄張りを持たずに徘徊するのならばかなり面倒になる、定住せずに徘徊する場合縄張りに踏み込まないという対策が取りにくく痕跡の新旧で位置を想像するしかないからな、痕跡を見付けられなかったり進行方向からやってくる場合の対処が不可能でかなりマズイ。

 縄張りとか住み処が有るならば例えば何かの拍子に踏み入れたとして痕跡を見付けるのは容易い、住み処であるなら間違いなく濃密にそれは残るからな、俺みたいな素人に毛が生えた程度でも見落とす可能性は低い、気付けば後はもう足早にそこから離れるだけでむしろ逃げると言って過言ではないだろう。

それこそ全力ダッシュだ、墨巣さんすら後ろに置くくらいの気持ちで走る、現実はまぁ三歩か四歩辺りで墨巣さんが前なんだろうが、100メートルの最高記録がギリギリ11秒台、それも追い風だったし、コンマ以下は99だ、平均して12秒前半が良いところで調子が悪ければ13秒台、オリンピックで通用どころかインターハイとかでも予選敗退だろう。


 身体能力的には悪くないと思うが昇とか墨巣さんと比べると劣るなんてレベルじゃない、なんでこう俺の周りは突出した奴が多いんだ、鶴子や望にしてもある意味では突出しているし先輩なんて天井をぶち抜くレベルの変態だ、類友なら俺もまた何かに、あぁ幸運特化か、全く喜べないなクソッタレ。

 幸運なんぞ対して嬉しくもない、俺にとって我が家にとってデフォルトだがそれが嬉しいと思ったのは正直に言って物凄く少なかったりする、初代でさえきっとそうなのだ、天運に届かない俺では当然のようにその側面は強い。

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