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諦め

 さて本日も朝の漁を済まして、早々に薪運びの作業を進めるとしよう。

 本日も大漁大漁、竹筒は相変わらずの海老オンリーだし、銛は相変わらずの振るわずだが食料の確保はできた。

やはり俺が作ったのは銛ではなく杖だったんじゃなかろうか、いやそうに違いない、森の中を歩くのは危ないからな杖と槍代わりの物が有れば安心できる。


 うん、逃避だが逃避して何が悪い、今日という日まで必死に生き抜いている、少しくらい心の安定のために逃げて悪いとは思わない。

 昼食前に薪を少し運び、休憩を兼ねて薪干場を選定する、最低でも屋根は欲しいしかと言って柱を建てるのも面倒だ、シェルターと同じく木を柱代わりに竹を渡して梁を作る構造として配置や形状から良さそうな場所を探していく。

完璧な立地とは言えないがそれでもなんとかなりそうな場所は見つかった、拠点から少し森に分け入った池の近くである、薪を取りに往復する必要はあるがその程度なら大した手間ではないだろう。


 昼飯を食べつつ思考を巡らせ、今後の予定を綿密に立てていく。場所の選定も終わり、いよいよ本格的な建築が見えてきたな、規模は少し大きくなるが全体的にはスケールダウンとなる特に盛り土に関しては大幅ダウンだ。

 木のスペースから5メートル×2メートル、台形に盛るとして7×4メートルくらい面積にして28平方メートル、そこに50センチも土を盛ろうと思えば1トンは軽く必要になるだろうし、重機がないと無理だ。

いや時間を掛けて頑張ればなんとかなるだろうが軽く2ヶ月は越えるだろうし、しかもそれで終わりではない、屋根の建築にも時間は掛かるし流石に3ヶ月も4ヶ月も掛ける訳にはいかない、多少はスケールダウンしても工期を短縮しよう。


 とは言え今すぐ作業という事でもなし、目の前に累積していく問題を一つずつ確実に処理していこう、先んじては薪の運搬作業だな。

 旧拠点と今の本拠地との往復を三回、まだまだ旧拠点には大量の薪が積まれているが終わりが見えてきた。


 まだ時間はあるが流石に疲れたし磯の側で漁までの時間潰しも兼ねて休憩する、干潮までだいたい1時間くらいか、さて何をして時間を潰そうか。

 とりあえず休憩という大義名分を守る以上は肉体労働ではなく頭脳労働での暇潰しになるが、かと言って意味もない事をツラツラと考えるのもなんだし、座禅でも組んで静かに心を落ち着けるという気分でもない。

此処がシェルターなら漂着物でも拾いに……いや肉体労働になるか、位置的には西にずっと……

ああこれはちょうどいい暇潰しになりそうだ。

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