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ギャンブル

 朝っぱらから海水とご挨拶する事二回、覚悟していてもグロッキーモードになりつつも魚は大漁、それでもこれさえなければという愚痴の一つでもこぼさないとやってられない。

 さて魚達を拠点に持ち帰り、とりあえず放置するとしてその次は薪の運搬作業になる。

旧拠点まで歩き、薪を前にして茫然としてしまう、つい数日前まで拠点にしていた訳だし、運用するために念入りに枝を払っている、ルートの開拓のために払った枝もあるし薪のストックはちょっとした山だな。

どう頑張っても今日1日で運べる量じゃない、これを1日で運ぶには猫車と背負子を併用してなんとかなるかもしれないという規模だ。


 猫車を作るのは流石に不可能として背負子擬きくらいなら広い集めた釘を全て使えばなんとか作れるだろう。とは言えだ、背負子擬きを作ってから運ぶ時間と作らずに運ぶ時間、間違いなく同等だな、前者なら今日1日掛けて製作し明日から2日掛けて薪運び、後者ならおおよそ3日がかりの薪運び、どちらに転んでも3日掛かる。

なら後々役立つであろう背負子を作れば良いと思い立つと同時に脳内で反対意見が現れせめぎあう、肯定的に見れば後々の作業効率が上がり、今後の生活に更なる余裕が生まれ正のスパイラルは更に加速する、否定的に見れば所詮は形を真似ただけの擬きであり、バランスも荷重限界も滅茶苦茶の物にしかならず少ない資源の無駄遣いにしかならない。


 さてどうしたものか、薪を運んで疲れたら休憩がてら背負子の製作という平行作業というのもアリだが、作業を増やすばかりでちっとも前に進まない。

 もう一か八かの運試しに賭けるとしよう、俺の幸運がまだ続いているかは別として、悪いようになった所で大したダメージにもならないだろうし。


 とりあえず薪を拠点に運びつつ決める方法を考える、まぁ普段ならカードを引くかコインを弾くかするんだが、残念な事にどちらも持っていない、変わりになりそうな物を考えつつ薪を拠点に運び込んで所定の位置に積み上げる。

 とりあえずテントの中を探しつつ、形が近い物を脳内で上げていく、そうこうする内になんとか捻りだして荷物の中から目的の物をサルベージする。


さて用意したのは一枚のボタン、購入したスボンのポケットに入っていた予備のボタンだ、片側が少し凹んだ一般的な四つ穴のボタンを人差し指と親指に乗せて何度か弾いてみる。

 十数投して凹んだ側を表として、表裏ほぼ均等になる、さて表なら作る裏なら作らない、一か八かの一発勝負、どちらが出ても結果に従う。

指に乗せて弾き、そのまま空中で両手で挟むようにキャッチして確認する、結果は……裏か、決まったのなら一気に進めたいのだが、そろそろ食事の時間だ。

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