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ゴリ押し

 チマチマと削って大胆に削って、なんでこんなデザイン選んだのかと思うが何も浮かばなかったのだから仕方がないしもうすぐ春だが花の一つも咲いてない、仮に咲いてたとしてもそれを彫るとなると別問題だしな、野の花を彫るのは別に嫌ではないが名も知らぬ花をというのは失礼な気がする。

 タイトル野花とかちょっと締まらないだろう、かと言って名前の解るタンポポとかシロツメクサとかだと花弁の数が多く形状が複雑だから彫れない、花の名前なんて有名どころくらいしか知らず、ならば春で動き出しそうな虫とか蛙とかとなると趣味に合わない。

動物ならゴリラに鹿、狸に熊が居るが鹿と狸は気配すらだ、ゴリラと熊は彫れるくらい間近で観察したいと思わない、百歩譲り分厚いアクリルの板とか鉄格子挟んでなら別だが遮る物もない状態でなんて勇気ややる気一つでどうにかなるものではない。


 必要なのはひたすら根気だ、惰性や慣れと言いつつチマチマと続けられる、そんな心が要る、それに耐えられるだけの心が有るなら後はもう技術でゴリ押しだ。

 非才凡才でゴリ押しとか笑えるがこれだけ続けるとそれがどうにかなる程度の技術は身に付く、晩飯までひたすらチマチマとか、もはやこれだけは変わらず変えられない。

願わくば早く、いや、できるだけ時間が稼ぎたいが手を抜くのはちょっと難しい、自らの技術に対する自尊心と暇潰しの兼ね合いが変に意識を動かすな、暇と言っても残り約一月だが乗り越えるにはまだまだ掛かる、早いようで遅く、遅いようで早い、時間が過ぎ去るは夢か現か遅く早くしかし等しく、まるで流れる水が如く捉えようがない、時計という形に押し込めても零れ落ちる砂に押し込めても捕らえているわけではない、加速も減速も停止も逆行も例え千年先でさえどれか一つすら掴めないだろう。


 夕飯を終えてゴミを大量にだ、流石に1日では無理だったか、もしかしたらと思っていたがやはりそこまで甘くはない、簡単でもないし当然と言えば当然だが悔しいのも確かだ。

 まだまだ腕が足りなかったか、今一歩二歩足りない感じがするが施行回数でどうにかはなる、これが十歩も離れていたなら諦めも付くのだがな。

やはり明日か明後日には完成って感じかね、叶うなら明日には、いや明後日まで二律背反が酷いな、片方を満たすには片方を斬り捨てなければならない、とりあえず次善の策として次のデザイン案でもと思うがやはり何も浮かばずか、とりあえず晩飯が先だが寝るまでに妙案が出るのを期待するかね。



 もはや何も思い浮かばないままだ、まるで脳ミソが空っぽになったが如くだがニューロンだかシナプスだか総動員してもデザイン一つ、いや思い浮かぶは思い浮かぶが選り好みがどうにも激しい。

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