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新たな痕跡

 さて焼いては干すの作業から焼いては食べるの作業に移行するとしようか、この後の作業も山積みだし流れ作業で食事と言うのはあまり良いものではないが仕方がない。

 さて腹も満たした事だし、次の一手を打つとしようか。

とりあえずは旧拠点に積まれたままの薪の確保、後はそこから丘の頂上へのルートを再確認して竹の搬入ルートの確定作業、ついで竹の切り出し作業といったところか。


 荷物を纏めてのんびりと森の中を歩き出す、旧拠点までは直線とは言わないまでも極端なカーブはないな、問題は旧拠点から磯までの二つのルートで片方は磯の近くまで森の中を進むルートでこちらは蛇のようなつづら折り、残るは丘を経由しての遠回りのルートだ。

 そこまでカーブがあったような記憶はないが昼間に通るのは久々だしな、枝とか地味な段差とかを確認しておきたい。

ゆっくりと歩きながらチェックをしていくが、そこまでの問題が有るようには見えない、多少の調整は必要だが1日で済むくらいの量だ、少なくとも数日は掛かるだろうもう一つのルートを再開拓するよりは楽だし短期で済む。


 さてルートの確認も済んだし薪の運び出し、と行きたい所だがシェルターにはまだ荷物が残っている、先にそちらだな。

 丘を下り磯を越え、竹林と森を抜けてシェルターまで歩く、その途中で道を塞ぐように木の枝が折れていた。

木の上部の枝が無理矢理下に引っ張られたか、もしくはぶら下がるなり乗るなりした結果折れた感じだな、少なくとも風とかではないだろう。


 さて困った、木に上る生物となれば猿や山羊辺りが思い浮かぶが、折れた枝は日本猿がへし折れるような太さじゃない、縄張りを主張するために枝先で無理矢理揺らしたとしても簡単には折れないだろう、ならもう少し大型の生物。

 となれば考えられるのは鹿と山羊だ、立ち上がった鹿が無理矢理枝葉を食べようとして折れたか山羊が木登りした結果折れたか、だが折れた枝を観察してみても虫食いと腐ったりとかはしていないようだし根本からへし折れるとは考えにくい。

後はさらに大型の生物、それこそ熊とかが考えられるが、できれば考えたくないし何より居てほしくない、風とかでへし折れたと見るべきか……いやこれはただの現実逃避だな。


 さて立ち尽くした所で何にもならない、より詳しく知りたいなら枝や地面をつぶさに観察して毛や足跡なんかの痕跡を捜した方が有意義だが、残念な事に時間は有限だ。

 ここで時間を取りすぎると荷物を持って帰る事はできても漁には間に合わなくなりそうだ、保存食はあるがやはり新鮮な物も食べたい。

いやシェルターを使うならその辺りの問題はクリアできるが、あの寝心地の悪さはごめんだし何より寝袋持ってきてないしな。ここは通れるようにだけして立ち去るとしよう。

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