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休暇二日目

 夕食前に水の補給を済ませる、流石に長時間火と対話を続けるのに水分補給無しじゃキツいしな、かなりの量をゴクゴク飲んでしまった。

 祖父が若い頃からの趣味である登山用に購入したこの水筒はひたすら頑丈で、保温性も良い、最大の売りはぶつけようが叩き付けようが、火に炙られようが凍ろうが壊れない、頑強さに特化したタフさで、愛用する登山家も多いシリーズの初期モデルの復刻版、飾り気のない灰色の円柱で蓋はネジ式、飲み口は特にないが変わりに内蓋が付いているだけという無骨な見た目で容量は2リットル。祖父によれば銃弾すら防げるという触れ込みのある耐久性と比較的簡素な作りによる修理やパーツチェンジの安易さから人気の出たシリーズらしい。


 浄水器のホースを川に、本体下部の出口を水筒に突っ込み、上部の取っ手を上下してポンプで水を汲み上げ綺麗にして排出する。

 ホースから汲み上げられた水は浄水器の中のフィルターで汚れや雑菌を取り除き、綺麗になった水を排出する、フィルターを通る中で多少水が軟らかくなるらしいが違いが一切解らない、飲んだだけで水の硬度を確認できる奴は凄いな。


 水の補給は済んだが、さてここからどうしたものか、夕飯にはまだ早いし、まぁ休暇な訳だからテントの中で静かに過ごすべきだろう。

 拠点に戻り、テントの中で寝転がり、ただ外を見詰める作業に入る、なんと言うか、こうやっているとマジにニート街道突き進んでる気がするが、今日は休みな訳だし良いだろう、良い筈だ、明日から頑張れば良いのだ。


 静かにただ静かに時間が流れるに任せて外を見詰め、時折聞こえてくる鳥の鳴き声をBGMに体を休めていく。

 そろそろ頃合いだな、干した魚を焼きながらゆっくりと頭を動かし続ける、今後の予定はまだまだ未定だが、さてまずはこの2日で食いつくした保存食の確保だな、続けて薪干し場の選定と準備、予想では6月までは掛かるだろう。

かなりの大仕事だが、はてさてやりきれるかは不明だな、途中で脳内イメージの立派な小屋からランクダウンし続けるのは確定として、最低でも形にはしよう。


 焼けた魚を食べながら今日と昨日を思い返す、休暇をダラダラと何もせず過ごすとか何年ぶりだろう、学生時代は遊びに行ったりド短期バイトをしたり競馬で稼いだりしていたが、本当にコレと言った事をせずに過ごしたのは久し振りだな。


 さぁ明日からは動き回らないとならない、早く寝て体力も気力も全快している事を願うとしようか。

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