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 拠点に戻り洗濯した服を干して焚き火の準備を済まし海に向けて歩き出す。

 途中で昨日隠しておいた土鍋や竹筒を回収する、昨日と違い疲労はしていても気分はまったく異なり、重苦しい心は消え去り、浮き足立つとは言わないまでも軽い心持ちで海に到着した。


 さて、海水を手にいれる場所は重要になる、砂浜なら砂が混じるし土なら泥が混じる、淀んだというか濁った海水もごめんだし、多少は歩き回る事になりそうだ。

 砂利浜という格好の場所で竹筒を使い海水を汲み上げ、しばらく放置して多少は混じっているだろう汚れを沈澱させておく、後はそれを待つ間にまた竹筒で汲み上げ、さらに四本追加する。

竹筒は計六本であり、往復する間に最初に汲み上げた物は沈澱した筈だ、念のため拾った比較的綺麗な布を洗濯した物で濾しながら竹筒の半分の量を土鍋に注ぎ込む。


 何度か繰り返して鍋一杯なみなみと海水を確保して、溢さないように慎重に拠点戻る。

 流石に森の中の山道を一滴の水も溢す事なく歩くのは無理だったが、それでも九割半は残ったし良しとしよう。

石で組まれた即席の五徳擬きを調整して土鍋を安定させる、 後は火を起こして維持し続ければ塩になる。


 火を維持する事およそ1時間、土鍋の中の海水はおよそ半分、そろそろ塩の結晶が見えてきても良い気がする。

 そのまましばらく土鍋を火に掛け続ける内に、少しずつ白い結晶が鍋肌に浮きだし、海水の量が三分の一程度になる頃には全体的に塩ができだしている。

そのままさらに水分を蒸発させ、泥っぽいというか塩七割強水二割くらいの状態で火から下ろして余熱で水分を抜いていく。


 水分が蒸発して余熱が無くなり、土鍋の底の塩を崩しては竹筒に容れていく、3時間強掛かってようやく手に入った塩を少量舐めてみる、やや苦味があるが普通に塩だな。

 苦味に関してはにがりを濾してないからだろうが、まぁ次から気を付けるとしよう。

しかし鍋一杯の海水も塩になればほんの少ししかないのだと愕然とする、塩田とか使えばもう少し量は取れたのだろうが残念ながらそこまでの機材も場所もないしな、何より大雑把な知識しかないから模倣もできない。


 多少の塩は手に入ったし、様々な作業を進めていく上でまた余裕があれば塩を作るための、それも今回作った物より良質な物を作る事も可能だ、間違いなく今後に役立つだろう。

具体的には夏場の作業中に水分補給と共に一舐め、食料を保存する時にも役立つし、必ず使う機会は訪れる。

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