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休暇中

 座禅こそ組んでいないが瞑想に近い精神状態で、ひょっとしたら自分で気付いていないだけで昼寝していたかもしれないが少なくとも微動だにせず、ただ寝転がっていただけで夕焼けに染まる空を見て、ああそろそろ夕飯の時間だな。

 固まった体を猫のようなノビで解して、ゆっくり動きだす、そこそこ回復したが、やはりまだまだ疲れが支配しているな、体の芯まで疲れがまとわりついて染み着いて、まるで鎖に繋がれ動きを封じられているようだ、もしくは体に鉛でできた何かが伸し掛かっている感覚。


 さて、かなり弱った魚を捌き、木に吊るされた干し魚を少し追加して焚き火で焼いていく。

 パチパチと音を鳴らす焚き火と、焼ける魚の匂いに、豊かな森と土の匂い、ああ大自然の中にいる俺というちっぽけさ、アンニュイでメランコリーな気分を噛み潰して魚を食べ続ける。今日は1日ゆっくりゆったりした感じだし、明日も極端な動きはしないでせめて晴れてくれればという淡い期待も空振りに保存食も火を通さないと食べられない、せめて焼き干しか煮干ならと凹みながら空腹のまま1日を過ごした。



 流石に空腹で体力に余裕がないし今日は体を綺麗にして塩作りだけの1日にしよう、幸いにして食料の備蓄は今日1日くらいは持つ、海まで往復程度なら大したダメージにならないし。

何より最も疲れる薪作りに関しても、体を拭うお湯を作り、塩を作り、調理をして余りある量が積まれている、ソレ以上に機会を逃せばまたズルズルと後回しにしそうだしな。


 とりあえず中華鍋でお湯を沸かし、全裸になりタオルを着けて体を拭いていく、垢と汚れが取れていく、何日ぶりか解らない風呂代わりにスッキリした気分を味わい、とりあえずお湯を沸かした火で干した魚を炙り朝御飯にする。

 焼けた魚を食べつつ、静かに燃え尽きようとする焚き火を見詰める、火の揺らめきは精神を癒すらしいが事実だとして、今の俺にとっては火の揺らめきより魚の焼ける匂いの方が癒される、主に空腹的な意味だが。


 食事も終え、まだ暖かいお湯の残る中華鍋と荷物を手に川まで歩く。数分で目的地に到着してまずは鍋と服を洗う、洗濯が済んだらようやく洗髪の時間だ。

 シェルターから持ってきたシャンプーを少量手に取り、頭を洗っていくがまったく泡立たない、それでもと皮脂を洗い、川に頭を突っ込んで濯ぐ。

流石にまだスッキリしていないしもう一度だとシャンプーで頭を洗う、今度は泡立つがやはり少量だ、元々が低発泡で自然に優しいシャンプーらしいから仕方がないが、それでもサッパリした気分にはなる。


 もう一度川に頭を突っ込んでシャンプーを濯ぎ落とし、ようやくスッキリとしたサッパリとした気持ちで拠点に戻った。


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