作業を見据えて
旧拠点と本拠地を二往復して、すぐさま竹を取りに行く、随分と前に斬り倒して放置した竹を転がしているし、切る分には大した手間ではない。
竹林に転がった十数本の竹の中から柱に使えそうな、太い物を選び出して肩に担いで森を抜けながら丘を上るとしよう、かなりの重労働だ、可能なら楽をしたいが無理だろう。
一歩ずつ確実に着実にやっていくのがベタだな、物事って言うのは簡単には進まないし、そんなに甘くないがこうして考えるだけでも違う筈だ、とにかく頑張ろう。
しかし森の中を長い竹を抱えて進むのはキツいな、只でさえ引っ掛かかって何度か縦列駐車よろしく切り返してるし、何より地味な上り坂が足に来る。
これ、先に道を整備した方が良いかも知れないな、一直線は無理でも竹を抱えて難なく歩けるくらいのスペースは欲しい、上り坂だけはどうにもできそうにないが、少なくともスペース確1は一週間もあれば余裕でできるし、ついでに薪や建材の確保にもなる。
何故だろうか、何か一つやろうとする度に新たな問題が出没して一向に物事が進んでいく様子を見せない。
と言うか、そもそもの話しである、俺はどうして竹を運んでいるのだろうか? 薪干場の建設は確かに急務ではあるが、現状における最優先事項は引っ越しの筈であり、ルート構築だの干場建築だのは後回しだ。
とりあえず竹は運び込むとして、今すぐにでもシェルターに向かうとしよう、一夜干しの確認のために朝食を早めたのが幸いして、往復するくらいの時間はまだ捻出できる。
なんとか竹を運び込み、急ぎ足で森を抜け、竹林からシェルターまでのルートを使う、ほんの十分程度だが時間の節約になる筈だ。
久々とは言わないくらい頻繁に来ている気しかしないシェルターから荷物を取り出し、すぐに使う物だけを纏めてリュックに入れ、篭変わりのプラスチックのチリトリ状の破片にある程度積み込む。
度重なる漂着物拾いで荷物は島に来た時の二倍近い、少なく見積もって三往復か、これは骨が折れそうだ。
荷物を抱えて森を突き進み、歩いて歩いて歩き続けてようやく拠点に到着する、正直に言ってかなり疲れたな、もう動きたくないし残った干物で夕食を済ますとしよう。
串に刺した干物を焚き火で焼き、脂が浮いてきて爆ぜるのを見ながら今後を考える、引っ越しにシェルター作り、竈も欲しいし力仕事が続く、おそらく、いや間違いなく疲れで狩りに出るのが億劫になる日は多くなるだろう。
適当な木に吊るすだけでも干物にはなる事が証明できた訳だし、明日から少し多めに魚を捕るとしよう。




