どっちもどっち
国内ならまだしも海外遠征ともなればなおさらだろう、現地までの交通費は道具の輸送費を遇わせれば往復で数十万円は軽い、食料や消耗品も現地で使い慣れた物が調達できるか解らないのだから申請やらその他費用を払ってでも持ち込みたい装備や道具も有る、それらが積み重なり、さらに保険に入山料、必要ならガイド料にシェルパに払う給金、積もり積もれば百万円はあっという間だろう、普段の仕事やバイトでのへそくり、スポンサーからの給金や装備の支給、一部装備は使い回せるとは言え渡航費だけでも確実に捻出できる宛が有るならその分を装備の更新や現地滞在費なんかに充てられる。
山尾家の場合は祖父との親交というチートでソレなりに潤沢にだ、まぁそれに見合うだけの能力も持ち合わせているが、昇はまだだが親父さんとお爺さんはセブンサミット踏破している、と言うかお爺さんは二周してるんだよな、親父さんは親父さんで8000m級は残り三座だけで踏破してる、昇もセブンサミット3つクリアしてるし、今の日本で最も有名な登山家一族だ、登山の教科書に乗るかは知らないがネット辞典とかには乗っている、まぁそれは我が家もかね、祖父は投資家として、親父は医者として有名だからな。
何よりご先祖がご先祖だ、徳川程では無いにしても辞典に初代を筆頭に歴代で数人の当主が名を連ねている、投資家だったり政治家だったり色々だが胡散臭さが拭えないのは初代のせいだろうな。
おかげさまで幸運男やらビックリ一族のビックリ人間やらというおかしなアダ名も貰っている、言い返せないのがなんともはや、事実による火の玉ド直球は四番でも打ち返せそうにない、と言うか事実だからこそ先に心が折れはしないがヘニャリと曲がってしまう。
まぁ他にも変人吸引機とも呼ばれていたが、ミスター腕毛に比べればまだ、いや目くそ鼻くそかね。
おかしなアダ名と言うか通り名ばかりだが基本的に間違ってないからな、普通に高田とか最悪健ちゃんとかで呼ばれる方がまだマシだ、ただ認めないといけないのも事実なのが物悲しさを加速させるな。
墨巣さんと合流する頃にはソレなりに薪を補充できていた、別に補充しなくともしばらくは持つのだが先を見据えて布石を置いたと考えよう、今回で潤沢にではないが春先を見据える程度のストックにはなった、後はシェルター側のストック確保だが枝打ち基本としてスランプ明けて落ち着いたら行くとするかね。
面倒だし特に用が有るわけでは無いが今から準備していれば三月になって焦る事もない、最悪拠点の薪をピストン輸送しても良いが時間と体力の無駄でしかない、その頃には差し迫った作業等無いだろうが迎えの時間とか有るからな、その日その時間には島を出る用意ができていないと目も当てられない。
少なくともその時間までにシェルター付近に居ないと船長さんを待たせてしまい申し訳ない、片道で数時間の船旅、運転は一人でだ、こちらの都合で付き合わせているのに待たせるとか失礼どころじゃないだろう。




