天体観測
母なる海は今日もまた静かに水を湛え、その中に大量の食料を内包している、さて本日もその恩恵を頂くとしよう。
森を抜け、やや歩いて磯に到着しテキパキとホースをズレたり外れたりしないように石を使いセッティングしていく、後は海水をある程度吸い上げれば自動的に排出される筈だ、残念ながら青いホースは光に透かしたところでどの辺りまで水が入っているかは解らず、勘だけが頼りになる。
もしくは限界まで頑張って口の中に海水を入れて確実に水を排出するか、ポンプでも有れば楽なんだがそんな便利な物はないし、有ったとして水の位置が解らないんじゃタイミングも測れない。
本日は一回のミスでなんとかなった、野球なら三打数二安打、打点が絡むなら最高の結果を残した選手になるな、ただし一打数に関しては併殺かスリーバント失敗って所か、野球に例える意味も必要もないのだが肯定的に捉えやすい例えだろう。
口を水筒の水で濯ぎ、ウガイして吐き出す、地味に馴れてきたのが嫌になる、こんな事に適応したくなんてないんだがな。
本日も大量の魚を手に、もとい鍋に容れて運び、焚き火で直火焼きにしていく。
焚き火の性質状、火力の調整が難しいが、皮がパリッと身はフワッとの焼き加減はすでにマスターした、火加減を薪の量で調整するのではなく火力を一定に火との距離で調整してやれば良いのだ。
適度に角度や位置を変え満遍なく良い感じに焼けたら所を頬張れば幸せな食事となる。
夕食を終えた所で、気分転換に星でも見ようと森を抜けて丘に出る、真っ暗で前後が解らず距離感も掴めない何て事はなく、星と月明かりで多少は見えるし、何度も踏み固めた道は自分が何処に居るかを教えてくれる。
数分で森を抜け、適当な木の根本に腰かけて空を見上げる、そこには満天の星空が広がっていた。
名前も知らないし、星座にしたって北斗七星やら夏冬の大三角を知っているくらいだが、それでも夜空に煌めく星達はその輝きを惜しみ無く見せている。
詳しくはない、詳しくはないが間違いなく四等星くらいまでは見えている筈だ、少なくとも天の川を見るのは始めてだし、圧倒的な星の量に感動している。
星空観察が趣味の友人の話だと月明かりのない新月の夜が星を見るのに最適らしいが、月明かりが溢れる今でさえ星空は見事なまでの美しさを湛えている。
これはいつまでも見ていられるな、友人は月一くらいで見に行っていたが、星空に嵌まるのも解るな、これは凄い、余裕がある時は毎日でも楽しみたいな。




