余裕
元々が磯と仮拠点と本拠地を繋ぐルートとして切り開いているため、ある程度は切り開いていてそこまで鬱蒼とした、木々が邪魔で邪魔でにっちもさっちも行かないなんて事はなく、普通に問題なく、なんの不足も不満もなく歩けてしまう。
それでも多少は邪魔な枝は有るし、切り開いた時に邪魔だと判断して放置したままの枝も落ちている、それらを切り払い広い集めるだけでもちょっとした量にはなる。
一抱えを越えた辺りで、さてどうするか、思案と想定タイムだ。
今の仮拠点に持ち帰るか、それとも本拠地予定地に持ち込むべきか、前者はそこそこの量があるし、後者も整地の時にある程度の量は確保している。
それでも長期的に見て、やはり持ち込むべきだろう、薪は有って困る物ではないしな。
予定地の一角、まだまだ未完成で使用に耐えない、その予定地の隅に積まれた薪に追加で拾い集めた薪を追加していく、少なくとも数日は持つ量が追加できた、しばらくは持つし、薪の確保は森に入ればいつでもできる。
まぁ生木を切り取った所ですぐに使うのは難しい、こうやって積み上げて放置するだけでも水分は抜けて乾燥していくだろう、引っ越しが済む頃には使えるくらいにはなる筈だ。
さて、もう一回拾い集めるだけの時間は余裕で捻出できる、やはり時間に余裕が有れば作業に費やせる時間が増えるな。
ついでに時間に余裕があるなら作業も急ぐ事なく行えてミスや怪我の可能性が減り、結果としてやはり時間に余裕は生まれる、一つの事柄を理由に連鎖的に他の事柄にまで影響する『風が吹けば桶屋が儲かる』みたいな物だな。
いやどちらかと言えばバタフライエフェクトか? 単純に正のスパイラル? まぁ物事が良い方向に進むならなんでも良い。
さて、頃合いも頃合い、空腹のピークだ、そろそろお昼ご飯を楽しむとしよう。
拠点に戻り、組まれた薪に火を着け、手に入れた魚達を焼いていく。
次々に内臓を処理して串打ちしながら焼き、焼けたら食べてまた焼く、無駄のない洗練された作業と食事を済まし、残った内臓や頭を持ってきた罠の中に入れる。
食休みを終え、竹筒と竹を編んだ罠を手に海に向かう、竹筒蛸壺の方は正直に言って捕れないだろう、居ないという事は無いだろうが見かけないという事は少ないという事だろう。
それでも何かしらが罠に掛かる事を願ってロープと結んで海に投げ入れた。
とりあえず明日の朝まで放置するとして、今からは本拠地予定地の整地だな。




