仕分け
焼き魚と蛸の炒めの夕食を終え、僅かばかり積まれたゴミの山を整理して明日に備えておく。
朝イチは何時ものように漁の時間だが、その後はゴミを使える物に変える作業が待っている、具体的にはマットを洗濯して干したり、壁を作ったりだ。
朝の漁を終えて、板に釘で穴を空けて紐を通し柱に結ぶ、柱が竹じゃないなら釘で打ち付けるんだが、残念ながら打ち付ければそこから裂けるだろう竹を使っている、間違いなく屋根まで壁を張るのは不可能だな。
それでもまた一面が埋まる、これで二方向と半分と少し、もう少しで泥はねや雨はねは気にならなくなるし、多少ではあるが虫や動物の侵入を防いでくれるだろう。
まぁ虫に関しては蚊や蝿ですら見掛けないし、居てもアリや蜘蛛、それにダニあたりだろう、祖父の話しだと蜂は居るらしいが。
さて、お次はマットの洗濯だな、小川でじゃぶじゃぶと踏みながら汚れを流し、しっかり水を搾ってから日当たりの良い場所で適当な木の枝に干す、今日は天気も良いし、夕方には乾いているだろう、少なくとも明日の朝方には乾いている。
さて、作業も終わったし、食事を済ましてちょっとした作業を追加しよう。
焚き付けは乾いていて細かな木の枝や皮の方がいい、当たり前だが初めから太い薪に点火するのは例えライターを使ったとしても無理と言っていい。
かと言って太い薪が最後まで出番がないかと問われれば、確かにそうだがやり方によって変わる、というのが答えだろう、薪割りである程度のサイズに小分けにするし、もっと早く使いたいならそれこそ細かく細かく裂いて乾かせば良い焚き付けになる。
今からやるのは焚き付け作りだ、流石に木の皮だけを剥いで回り、切り払った枝からわざわざ剥ぐのも面倒だしな。
とりあえずしばらくは焚き付けに困らないくらいの量は確保できたな、さて本日もゴミの山にご対面といこうか。
相変わらずの量と共に、地味に隙間が開いて新たな山が積まれてる辺り、俺の頑張りも無駄ではないと見た目で解る、端の方から中央に向かって片付けている以上、進めば進むだけ後ろにゴミの山が積まれ、結果として隙間の開いた不格好な山の出来上がりとなる。
仮に逆端まで行けたなら少しだけ小さくなった山の出来上がりだな、その前に一部が流されていき、新しいのが流れ着くだろうけど。
さぁゴミとの戦いだ、気合いの一つや二つ入れて、しっかり取り掛かるとしよう。
一つ取っては瞬時に判断して使えそうなら脇に、使えないなら後ろに持っていく、いや取る前からだいたい使える使えないの判断は下しているが、やはり山に埋もれて隠れた部分を見るまでは判断していないというのが正しいな。




