頼りなく
予定通りと言うか予測通り昼前に警戒網の整備を終えて一段落だ、腰を曲げての作業はやはり辛いな、しかも少し動いては腰を曲げ、動いてはの繰返し、たったの数日だが身体中にダメージが蓄積しているのが解るくらいだ。
ただまぁ途中で温泉挟んでるおかげか休息が必要という程ではないのが救いだな、休息は必要ではあるが1日無駄にしてるって感じが凄くて罪悪感を感じてしまう、自分を追い込み過ぎというかドエム気質も極まった感があるが快楽的な意味ではなくその1日の差が怖くて仕方がない。
1日遅くなったから何かが起こる、そんな強迫観念にも似た思いが常に頭に蔓延っている、悪い方悪い方を考えるのはどうかとも思うが石橋を転ばぬ先の杖で叩いて渡るが心情のこの生活だとこのくらいがちょうど良い、慎重に慎重を重ねても足りないくらいネガティブに、そのくらいで一安心だ。
お昼休憩を終えて早速作業に取り掛かるがその前に計画を整理しておくか、まず内側の警戒網に添う形でロープを高さを変えて張っていく、警戒網の整備もあるから高さ的には腰から腕を上げるくらいまでかね、そしてそれらに布を結んでブラインドに、後は出入りをする部分だけ簡単に通れる細工をしてって所か。
正直に言ってイメージの中でも頼りなく実際に見たら頼りなさに卒倒しそうになるだろうが大丈夫なのかね、それこそ鉄条網とかに比べれば大きく劣るし工事現場とかにある金網フェンスにすら劣るだろう。それでも無いよりマシだが作る前からやる気が削がれるのは初めてかもな。
とりあえず持てるだけのロープを持って作業に取り掛かる、残り時間で何往復できるか解らないが使いきるって事は流石にないと願いたい。
まぁロープに関しては処分したとは言えソレなりの量が残っているし半日では使いきれないだろう、それに半日で埋められる範囲なんてたかが知れている、いくら幾重にも張るとは言え予定通りに行ってもロープの半分越えないくらいだ。
木々の間にロープを張っていくがほんの数メートルしか進んでいないが既に心許なさが洒落にならないくらいに押し寄せている、隙間だらけで簡単に抜けられるなんとも頼りない塀擬き、これで正解では有るのだが正解が知りたいという矛盾した思いが押し寄せてくる。
それこそ資源や道具が豊富なら竹壁に漆喰擬きで土壁作ったりもできるのだが手持ちでそれたけ作れって言われたら言った奴の顔面ぶん殴るだろうな、二人だけの人力で装備も最低限、資源も探す所からだ、仮にこの島に一生住むならやっただろうが残りはたったの4ヵ月、終わりが見えていると言うのもモチベーションの低さの要因だろう。
もしもまだ真夏とかなら迷いなく作ったかもだがその頃はまだ本拠地決めて薪干場とか竃とか作ってた頃だったか、仮にもう少し早く思い付いたとしても暇だと感じたのは1週間前かそこら、結果は同じかね。




