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見飽きる

 さて、考えられる拠点の強化方法としてはロープによる壁擬き、布によるブラインド、竹の壁、この中で三つ目は論外だな、低いと簡単に乗り越えられるし高いと作るのが大変だ、仮に腰くらいの高さで妥協するとしても作業に掛かる時間は二月かそこら、時間は問題ではないだろうが掛けた時間に対して効果は見込めない。

 となると二択、もしくは両方か、ロープを張るだけならおそらく半月から一月、布だけならもっと短い期間で可能だろう、二つ合わせてもおそらく一月半を越えない、ある程度強度も増すし効果は微妙かもだが良いかもな、問題は布だがそれこそ端切れをぶら下げているだけでも動物からしたら嫌かもだな、少なくとも警戒はするだろう。



 少しばかり足に疲れが残ってはいるが快調な目覚めだな、今日は移動もあるしあまりよろしくは無いが問題無いだろう。

 流石に筋肉痛となると面倒だが少し疲労感が有るだけなら動き出せば気にならなくなるしせいぜいが寝る頃にピークで明日に響くかなって程度だ、それに関しても温泉で癒すし明日には忘れているだろう。

とにかくと朝の漁を済ませるが相変わらず必要量に満たない、これはかなりの低水準を維持しているらしく経験から言って一気に回復するか長引くかの二択、できれば前者であってほしいものだな。


 少ない魚を全て焼き干しに変える、ここのところ墨巣さんもボウズ続きだから朝飯は無しか、なんと言うか悪い流れが来ているが幸いにして虫の知らせはない、とりあえず天変地異の前触れではないらしいから一安心かね、まぁ精度は初代喜一のソレに大きく劣るから手放しに安心はできないのだが。

 森を抜けてとりあえず焚き火場を目指す、機会があるなら少しでも薪を運んでおかないと終わらないからな、それにただ歩くだけというのも存外暇だ、普通なら森の中とかワクワクしそうだがもはや見馴れたを通り越して見飽きたからな、コンクリートの壁見詰める程度には感動は無い。

雄大だしある意味荘厳ですらあるが見飽きればただの木々だ、おそらくまた何かのタイミングでその雄大さを感じるまでは無意味で無価値な物に成り下がる、常に隣に在ると言うのは残酷なまでに贅沢な事を言ってしまえる価値観を植え付ける、逆を言うと今の俺ならビル群に感動するのかね。

だとするなら相当にこの島に染まったと言える、極端な話コンクリートとかアスファルトに感動するようなら完全に文明の一部を記憶の奥底に押し込めた証拠だろう。


 温泉で汗と汚れと疲れを流し漂着物に取り掛かる、とりあえずロープと布を集めていく、ロープに関しては1メートル超えじゃないと使えないが布は色も材質も無視してとにかく数を集める、ボロ雑巾すら綺麗かもな布が森に吊るされるか、ちょっとしたホラーだな、廃墟近くに有ったなら心霊スポットになりそうだ。

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