思い付き
お昼ご飯を済ませて拠点に戻る、このままテントで昼寝でもしたい気分だが警戒網のチェックの方が重要だろう。
まだ内側すら済んでいないのだしこのままだと拠点はそれなに安全では有ると言う謎空間に成り下がる、せめて一つだけでも完全にしないとだ。
木々の間に渡ったロープの張り具合を調整し、絡んだ鳴子を解く、音が悪くなった物や壊れた物を交換して少しずつ安全を確保していく。
二人がかりで内側の警戒網の整備を終える、とりあえず少しだけ安全に近付いたとは思うがまだ外側が残っている、最近スマイリーに会っていないとはいえ鹿だって居るんだし熊も居る、あぁしまったなタバコ残しとくんだった、万が一の時に匂いを嫌って逃げてくれるかもだ。
特に熊は匂いに敏感らしいし、ただ忌避材撒いてるから近付いてきた時点でだ、下手をすると逆上してというのも考えられる、難しい判断だがやはり正解だったのかね。
とりあえず外側の警戒網を一部だけでも整備しておくか、懸念は消えないが無いよりマシを重ねて精神的な壁を厚くしたい。
残念ながら物理的な壁が無い以上目に見えない壁を張っていくしかなく、限界は有るだろうが一枚でも多く分厚くしていきたい、例えティッシュペーパーでも百枚重ねればクッション程度にはなる、ならばたった一本のロープと鳴子でも重ねればカーテンくらいにはなってくれるだろう。
あぁロープを幾重にも張れば多少は違うのかね、通ろうと思えば簡単に通れるが面倒だし嫌がってくれるかもしれない、ソレだけのロープを集めるのは相当に難しいが内側だけならなんとかなるだろう、とりあえず警戒網の整備が終わったらやってみるかね。
今あるロープだと半分に届けばくらいだし整備を考えると相当に面倒だ、ならばもっと早く確実に安全を担保できる警戒網の整備の方が急務だろう。
夕方まで頑張ってみたが一割も終わらない、流石に外側は範囲も距離も広くて長いな、まぁ気休め程度でも安全になったんだ、良しとしておこう。
続きは明日にでもだ、幸いにして時間は有るからな、ノンビリ続ければ何時かは終わるし次に移る事もできる、年が明けるまでには移れるし遅くとも2月には全て終わる、過ぎてしまえばあっという間だろう。
夕飯を済まして疲れと寝不足を癒すため早々に寝袋に体を預ける、後は目を閉じて睡魔がやって来るのを待つだけだ。
やはり温泉には安眠効果が有るらしく熟睡も熟睡、疲れも全て吹っ飛んだ、まぁ雨続きで相当に回復していたから万全とか完全回復とかそんな感じじゃないのだが。




