この一瞬
食事を終えていよいよお楽しみだ、雲はチラホラ有るが星はちゃんと見える、相変わらず壮大だが先月は勿論として同じ星空は無い、少なくとも人間が生きる短い時間で全く同じ位置に星々が居る事は無いだろう。
引力やら重力やらが複雑に絡み合い公転と自転で刻々と変わり続けている、月にしたって少しずつ距離は変わっていると言うし遥か未来、それこそ菩薩が悟りを数回開けそうなくらい年月を経た未来、満月でさえ小さな星になっているのかもな。
だとしたならこの瞬間をもっと楽しまないとだ、眼で見て解るような差ではなくとも一瞬たりとも同じ光景は無い、眼と記憶に焼き付けておかないと勿体ない。
やや夜更ししたがグッスリと眠って体力は回復した、さて今日は温泉に行って入浴とゴム手袋の確保に鳴子のチェック辺りかね、夜更しでやや睡眠欲求強いし早めに潰すには温泉効果で高品質な眠りが手っ取り早い。
とりあえず朝の漁までは済ませてしまい手早く焼き干し作りと朝食まで済ましてしまう、テキパキと無駄なく無理なくだ。
森を歩きながら薪を少しずつ運び焚き火ポイントに寄って置いていく、少しずつ溜まりだしてはいるが数回分って所かね、まぁ薪はまだまだ有るし全てを運ぶまでもう少し掛かる、全体としてようやく半分に届くかどうかだからな全て運べれば10回以上はお弁当を楽しんでも余りあるだろう。
温泉に到着して手早く服を脱いで温泉に体を沈める、体が暖まった所で洗髪、体もボディーソープで綺麗にしてもう少しだけ温泉に浸かり疲れと汚れを流していく。
このまま寝てしまいたい気持ちを抑え込み服を着て墨巣さんと交代する、少し体が軽くなった気がするが文字通り気のせいなのかね。
雑多なゴミの中から目的の物を探すためにゴミを片付けていく、謎の海藻とかマネキンとか服とか靴、おもちゃにペットボトル、タイヤに時計、帽子も有れば財布だって有る、もはや無いものを探す方が難しいくらいに転がっている。
手袋も材質サイズ色柄様々に見付かる、なんと言うか小さな雑貨屋をそのまま海に流したのかって思うくらいに雑多だから見付けるのに苦労するがようやくゴム手袋をゲットした。
予備分も含めて手にしてホクホク気分で焚き火ポイントを目指す、その前に流れ着いた棒とかで矢印を残して墨巣さんに移動した事を伝えておく、まぁ時間的に鉢合せるかもだが。
案の定と言うべきか途中で鉢合せて肩透かし感は有るが別に問題はない、むしろ無駄が省けて良い、しかし携帯電話でも有れば片付く問題だが何世紀前の方法で解決してるんだよって思ってしまう、古い小説とかで掲示板とか伝言板とか出てくるがアレと似たような感じになっている。




