嬉しい物
次はクリスマス用かね、使うのは当日にしても中身を確認してはいけないって事もないし親からクリスマスプレゼントを貰うには年を重ね過ぎている、少なくとも中身は人形とか玩具ではないだろう。
開けて見れば基本的には代り映えしないが内容は異なる、まず目につくのは三本あるペットボトル、ペットボトルとなると醤油や味醂で見慣れているが入っているのはそれらとは一線どころか数線を画する、何せ一本はやや色が有るが透明な液体、一本は琥珀色、両方共に昔は見慣れた色だ、前者は白ワインのソレで抜いてみれば刻印されているのは国産品だがソレなりに名の知れたメーカーの物、後者はウィスキー、抜いてみれば俺が最も愛するスコッチの16年物、最後の一本はシャンパンか、ワインとやや被っている気もするがクリスマスって感じではあるな、サイズはそれぞれ500cc程度の小さな物だが十分過ぎる。
そして缶詰、これもフルーツで見慣れているがこちらは大きな物はケーキ代わりかフルーツ入りのパンの缶詰、それにターキーの代わりか燻製鳥の缶詰、宝の山だなこれは。
続けて正月用を開ければこちらは缶詰が多い、しかし一本だけ瓶が入っていて間違いなく日本酒だろうな、抜いてみれば俺が帰省した時に持ち込んだ物の360cc瓶、先輩に進められて買った物だがキリッとした辛口と余韻を残す風味が特徴の酒で燗にしても美味かった覚えがある。
缶詰はと確認して見れば黒豆に玉子焼き、昆布に筍、鯛の解し身に数の子、御節に欠かせない食材が主だ、こちらはこちらで宝の山だな。
とりあえずそれぞれその日が来るまで封印するとしてすぐにでも使える物の中で目を引くのはやはりコーヒーだな、タンポポコーヒーにしても最後に飲んだのは数カ月前だし物凄く有り難いしスーパーやコンビニで売っている瓶入りのインスタントコーヒーだが煌めいて見えてくるな。
まぁコーヒーに煩いわけではないからインスタントだろうが構わない、それこそ豆をドリップしたのとインスタントと缶コーヒー出されても違いなんてほとんど解らないしどれがどれだか解る筈もない。
それでも毎日のように飲んでいた物だからな、無いとなると物凄く寂しく感じてしまう、似たような物だと酒かね、タバコに関しては全く吸いたいと思わないから不思議だ、一度もニコチン切れでイライラとかした覚えがないし頭痛とかの禁煙アルアルが俺の身には全く起こっていない、タール値もニコチン量も強いのを吸ってたんだがな、俺が思うより肺と脳は侵食されていなかったのかね。
まぁ慣れたせいで今一感じられないのだが美味しい空気を吸って浄化されたという事にしておこう、と言うか雄大な森に慣れるってのも中々に贅沢な話だな、我が家も庭は手入れされていたが植わっている木は松とか紅葉で一本きり、裏山は森ではあったが雄大かどうかは微妙だ、山菜とか採れるし鹿とかいるからソレなりに豊かではあるのだろうが。




