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道楽

 朝の一連の流れを済まして漁に向かう、物凄く久々な気もするが昨日もやってるんだよな、夕方のとなると数日の空きが有るがやる事は変わらずだ。

 水を抜きながら罠を引き揚げて中身を確認して水抜き漁で手にした魚や入っていた魚の内臓ぶちこんで海に戻す、もはや流作業だが意識的に集中して波や足場に注意を払う、惰性で体を動かして無意識で動いた結果として波に拐われるとか最悪だからな、もう真冬だし泳げるしある程度ストレッチしてるとか言っても足がツって溺れる未来が見えるようだ、運良く溺れなくとも寒さに凍えて風邪はほぼ確定だろう。

今日はゴンスイにハゼ、ウツボとタコ、久々のスズキと量的には十分過ぎるくらいだ。


 さて、今日は塩作りだな、燻製で使うだろうし有りすぎるぐらい作って何が有ろうとも足りないなんて事の無いようにだ。

 竈で一気に海水を沸騰させてひたすら継ぎ足して塩を作っていく、とにかく海と拠点を往復し、とにかく薪干場と拠点を往復する、竈のおかけで使用する薪の量は減り手に入る塩の量は増えたがそれでも1日でギリギリ1キロに届くか届かないくらい、二人で交互にとは言え一度に運べて1リットル以下、坂道を登って下ってだからな、二人合わせても百往復にも満たないどころか半分以内に収まる。

一回を1リットルとして最高で約50リットル、塩分濃度を2%として1キロには達するがロスも出るからな、実質だと800グラム前後だろう。それでも普通に多いと言える量かもだが塩漬けにしたり滑り取りに使ったりで消耗は激しい、それこそ1キロ持っていてもケチって使ってもタコが取れればあっという間に消えてしまう、鶴子が大量に釣ってきた時などは小麦粉と冷凍法で片付けたがここでは使えないし笑い話として洗濯機とかも考えだがやはり使えない、塩でひたすらもみ洗いくらいしか方法が無いんだよな。


 昼休憩を挟んで雨で回復した筈なのに若干笑い出した膝を叱咤して午後も元気に海水を補充していく、俺の方はおそらく後1度か2度往復したら終わりだが荷物の受取り考えると1往復が限度だろう、墨巣さんの方はまだまだ余裕って感じだがやはり体力と言うか体の作りからして違うのかね。


 竈の火を絶やさず相当量の塩が出来てきている鍋を焦がさぬ様に見守る中でバタバタと久々のプロペラ音が鳴り響いてきた。

 相変わらずの爆音だが個人所有なのに使える場所とか有るのかね、それこそ空き地持ってるくらいだと近所迷惑で飛ばせないと思うのだが祖父の知り合いだし山一つ単位の地主さんとかか? あるいはヨットとかクルーザーで海に出てからとかかね、どちらにしても相当に資金力が無いと飛ばせない、趣味としては道楽も道楽、オモチャにしては格が違う。

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