普通は大事
テントから顔を出すまでもなく雨の音が鳴り響いている、結局一晩中降り続けてなおも衰えずか、むしろ昨日の夕方より雨足は強まっているようにも思える。
ポツポツよりは強いがザーザーではない、擬音で表せない微妙な降り方、一昨日から数えて3日も動けていないというのは焦燥感に苛まれて物凄く落ち着かない。
忙しく動き回っている方が落ち着くって本末転倒と言うか矛盾しているが実際にどちらが楽かと問われれば動き回っている方が楽だ、こんなだからマゾ呼ばわりされるのかもだが何もしないってこの生活だと物凄く怖い、例え満ち足りていようとも道具や施設が揃っていようともメンテナンスとか調整とか掃除とか、何かしていないと全く落ち着けない。
焼き干しと燻製で夕飯を済ませるがやはり燻製が有ると違うな、箸休めと言うか似たりよったりの味がガラリと変わるから同じ量でも満足感が違う、とは言えこの数日でそろそろ焼き干しが底を見せている、まぁ交換の時期は近かったから助かるのは確かだが無くなると困るのも確かだ。
叶うのなら明日にでも補充したいところだな、まぁそれは明日の朝の天気次第か、今日に関しては折角の新月の筈なのに雨降りで散々だったからな、もしかしたら変な形でリバウンドが来ているのだろうか。
とりあえず目覚めは問題なく快調だ、音も風と言うか木の枝が鳴らす程度でかなり静か、顔を出して見れば明けきらない空には雲一つ二つ有れど快晴と言えるし風にしても微風って感じで何時もと変わらない、これなら1日ずれたが天体観測だって夢ではないし焼き干しの追加と燻製、塩の追加も望めるだろう。
と言うか今日は荷物が届く日の筈だがどうだろうか、日数計算がずれていなければ今日だがと電話を確認してみれば12月の5日と表示されていて俺の日にち感覚にズレが無いと証明してくれている、流石に曜日感覚はズレまくっていて、と言うか月曜だろうが金曜だろうが関係ないからもはや意味を成さず、チラリと見た分にはmonと表示されていてから月曜らしい、どうやら新たな一週間の始まりの日だったらしいが基本的には代り映えしない日にしたいな。
少なくともトラブルはゴメンだ、代り映えしない毎日を嘆く事のなんと贅沢な事か、こちとら一歩間違えたらゴリラが眼前で笑う生活だ、朝起きて顔洗って飯食って着替えて学校行って帰って風呂入って宿題して寝るだけの毎日なんてゴメンとか思ってる学生が居たなら頭ひっぱたいてコンコンと普通の大切さを説きたいくらいには代り映えしない毎日を望んでいる。




